
【2026年7月更新】
2021年のMOE絵本屋さん大賞は、ヨシタケシンスケさんの『あんなに あんなに』が1位でした。
子どもの成長を描いた大賞作をはじめ、病気と向き合う少女の実話『二平方メートルの世界で』、逃げてもいいと伝える『にげてさがして』、吃音を題材にした『ぼくは川のように話す』など、大人にも強く残る作品が多い年です。
この記事では、第14回MOE絵本屋さん大賞2021の1~15位、新人賞、パパママ賞をまとめて紹介します。
MOE絵本屋さん大賞2021の結果一覧
| 順位 | 作品名 |
|---|---|
| 1位 | あんなに あんなに |
| 2位 | たまごのはなし |
| 3位 | 街どろぼう |
| 4位 | 怪物園 |
| 5位 | ゆめぎんこう |
| 6位 | 二平方メートルの世界で |
| 7位 | にげてさがして |
| 8位 | ノラネコぐんだん ケーキをたべる |
| 9位 | あきらがあけてあげるから |
| 10位 | ながいながい ねこのおかあさん |
| 11位 | パンどろぼうvsにせパンどろぼう |
| 12位 | ぼく モグラ キツネ 馬 |
| 13位 | うごきません。 |
| 14位 | ぼくは川のように話す |
| 15位 | しりとり |
迷ったら、この3冊から
- 家族の時間に泣ける:『あんなに あんなに』
- 病気と孤独を描く実話:『二平方メートルの世界で』
- 言葉に悩んだ経験がある方へ:『ぼくは川のように話す』
MOE絵本屋さん大賞2021を1位から紹介
1位:あんなに あんなに
あんなに欲しがっていたのに、あんなに心配したのに、あんなに小さかったのに。子育ての中で何度も訪れる「あんなに」を重ねながら、子どもが大きくなっていく時間を描きます。
成長はうれしいのに、過ぎた時間は戻りません。親として読めばもちろん、自分を育てた家族の気持ちを想像しても目頭が熱くなる一冊です。本誌の読者投票でも1位に選ばれています。
2位:たまごのはなし
ある日突然目を覚ましたたまごが、歩き、話し、マシュマロを起こしてキッチンの外へ出かけます。不思議な会話と出来事を描いた三つの物語です。
かわいいだけではなく、たまごの妙に達観した言葉や、少しずれた会話がくせになります。読むたびに受け取り方が変わる、子ども向けだけでは終わらない絵童話です。
3位:街どろぼう
山の上でひとり暮らす巨人が、寂しさから麓の街へ下り、一軒ずつ家を持ち帰ります。街を自分のそばへ運べば寂しくなくなると思ったのですが……。
誰かと一緒にいたい気持ちと、相手の暮らしを自分の都合で動かすことの違いが静かに残ります。junaidaの細密な絵も、何度もページを見返したくなる美しさです。
4位:怪物園
怪物たちが街へやってきて、子どもたちは外へ出られなくなります。閉ざされた時間の中でも、子どもたちの想像は家の壁を越えて広がっていきます。
自由に出歩けない不安を描きながら、想像する力までは奪われないことを見せてくれます。美しさと怖さが同居した怪物の姿にも引き込まれます。
5位:ゆめぎんこう
怖がりの店主ぺんぺんと、夢を食べるもぐもぐが営む「ゆめぎんこう」。夢のアメを売る二人のもとへ、ある日、夢を取りに来てほしいという依頼が届きます。
やさしい絵柄の奥に、思い出や別れをどう受け止めるかという物語があります。読み終わった後に、自分ならどんな夢を残したいか考えたくなります。
6位:二平方メートルの世界で
病気で入退院を繰り返す小学3年生の海音ちゃんが、病室のベッドという二平方メートルの世界で感じた孤独や家族への思いを綴った作品です。
「どうして自分だけ」と苦しむ言葉がまっすぐで、それでも自分はひとりではなかったと気づく場面に救われます。実体験から生まれたからこその重さがあり、僕は泣きました。
7位:にげてさがして
自分を傷つける場所や相手からは逃げてもいい。そのうえで、自分を大切にしてくれる人や安心できる場所を探そうと語りかけます。
「逃げるな」と言われがちな中で、逃げることを生きるための選択として肯定してくれます。子どもだけでなく、苦しい場所に踏みとどまっている大人にも必要な絵本です。
8位:ノラネコぐんだん ケーキをたべる
開店前のケーキ屋をのぞくノラネコぐんだん。今回はマーミーちゃんの行動をきっかけに、いつもとは少し違う騒動が始まります。
色とりどりのケーキと、細かなところで動くキャラクターを眺める楽しさがあります。シリーズのお約束を知っている親子ほど、今回はどうなるのかと盛り上がれます。
9位:あきらがあけてあげるから
お菓子の袋を自分で開けられず悔しがるあきら。大きくなったら、身の回りのものから意外なものまで、何でも開けてあげようと想像を膨らませます。
今はできないことも、いつかできるようになる。その小さな自信と、誰かの役に立ちたい気持ちがかわいらしい作品です。
10位:ながいながい ねこのおかあさん
体がとても長い猫のお母さんと子猫の物語です。強い風に飛ばされた子猫は、お母さんの顔を目指して長い体のそばを走り続けます。
奇抜な設定なのに、子猫の心細さと母親を求める気持ちはまっすぐです。最後にたどり着いたときの安心感が、親子の愛情をやさしく伝えます。
11位:パンどろぼうvsにせパンどろぼう
パン職人になったパンどろぼうの前に、パンを盗む「にせパンどろぼう」が現れます。自分とよく似た相手を追いかけるシリーズ第2作です。
追う側になったパンどろぼうの反応と、にせものの正体が見どころです。笑える対決の中に、誰かを責める前に事情を知る大切さも入っています。
12位:ぼく モグラ キツネ 馬
少年、モグラ、キツネ、馬が一緒に旅をしながら、怖さ、弱さ、やさしさ、愛について短い言葉を交わします。
助けを求めることは弱さではない。そんな言葉が、疲れているときや自信をなくしたときに静かに届きます。物語を追うより、今の自分に必要なページを開く本です。
13位:うごきません。
何が起きてもじっとしているハシビロコウの前へ、鼻がバナナになったゾウや、変わった模様の動物たちが次々に現れます。
周囲がどれだけ騒がしくても動かない姿が、ページをめくるほどおかしくなります。最後まで動かないのか、親子で予想しながら楽しめます。
14位:ぼくは川のように話す
吃音のため、言葉をうまく出せない少年。学校で話せなかった日の放課後、父親が川辺へ連れ出し、少年の見方を変える言葉をかけます。
うまく話せないことを直そうとするのではなく、その人の言葉の流れとして受け止める父親の姿が胸に残ります。作者の実体験をもとにした作品です。
15位:しりとり
ページいっぱいに描かれた絵から言葉を選び、しりとりをつないでいく安野光雅の絵本です。最後まで進んでも、また最初のページへ戻って遊べます。
答えが一つではなく、どの絵を選ぶかで道筋が変わります。文字を覚え始めた子どもはもちろん、大人も細かな絵を探しながら長く遊べます。
MOE絵本屋さん大賞2021 パパママ賞
| 順位 | 作品名 |
|---|---|
| 1位 | ノラネコぐんだん ケーキをたべる |
| 2位 | あきらがあけてあげるから |
| 3位 | おやつトランポリン |
| 4位 | でんしゃ くるかな? |
| 5位 | おべんとうバスのかくれんぼ |
1位と2位は総合ランキングにも入っています。ここでは、パパママ賞だけに入った3冊を紹介します。
3位:おやつトランポリン
いちごやお菓子たちがトランポリンで跳ね、ケーキの上へ次々に着地します。擬音のリズムと、おいしそうな食べ物の絵を声に出して楽しめます。
4位:でんしゃ くるかな?
動物たちがホームで電車を待ち、「きたー!」と喜ぶ繰り返しの絵本です。電車が好きな子どもと、声を合わせて読みやすい一冊です。
5位:おべんとうバスのかくれんぼ
ハンバーグくん、卵焼きさん、えびフライちゃんたちがお弁当の中でかくれんぼ。隠れているおかずを当てながら親子で遊べます。
MOE絵本屋さん大賞2021 新人賞
| 順位 | 作品名 |
|---|---|
| 1位 | ももたろう |
| 2位 | とうもろこしぬぐぞう |
| 3位 | ポッポポーン |
| 4位 | ぼく モグラ キツネ 馬 |
| 5位 | ねたふりゆうちゃん |
1位:ももたろう
ガタロー☆マンが昔話『ももたろう』を全力のギャグと迫力で描き直した「笑本」です。昔話を知っている大人ほど、崩し方まで含めて笑えます。
2位:とうもろこしぬぐぞう
とうもろこしぬぐぞうが、葉っぱの服とひげを豪快に脱いでいきます。言葉のリズムと力強い絵が気持ちよく、着替えやお風呂の前にも読みやすい作品です。
3位:ポッポポーン
残ったポップコーンの種を植えると、想像を超える出来事が始まります。身近なおやつから世界が大きく広がる、自由な発想の絵本です。
新人賞4位:『ぼく モグラ キツネ 馬』は総合ランキング12位にも入っています。作品紹介へ戻る
5位:ねたふりゆうちゃん
寝たふりをするとお母さんが抱っこしてくれることを知っているゆうちゃん。子どもの小さな作戦と、分かっていて応える親のやさしさが微笑ましい作品です。
MOE 2022年2月号では詳しい選評も読めます

受賞作家のインタビュー、制作風景、絵本屋さんによる推薦コメントまで読みたい場合は、結果を発表した『MOE 2022年2月号』に掲載されています。
現在は新品を見つけにくいため、中古在庫も含めて探す形になります。
MOE絵本屋さん大賞2021まとめ
2021年は、親子の日常を描いた『あんなに あんなに』が1位となりました。上位にはjunaida作品が2冊入り、ヨシタケシンスケ作品も複数ランクインしています。
明るく笑える作品だけでなく、病気、喪失、逃げること、吃音など、簡単には答えを出せない題材を扱った絵本が多いのも特徴です。
子どもへ読み聞かせる本を探している方だけでなく、大人が自分のために読む絵本を探している方にも面白いランキングだと思います。






















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