
【2026年7月 追記・更新】
2024年のMOE絵本屋さん大賞は、鈴木のりたけさんの『大ピンチずかん2』が1位に選ばれました。シリーズ第1作の『大ピンチずかん』も2022年に1位を獲得しており、2作続けての大賞受賞です。
2位は、猫と子どもの成長と別れを描いた『わすれていいから』。3位は、どこを見てもシカばかりなのに、よく見ると何かがおかしい『シカしかいない』でした。
この記事では、第17回MOE絵本屋さん大賞2024の1~10位、新人賞、0・1・2歳向けのファーストブック賞をまとめています。
MOE絵本屋さん大賞2024の結果一覧
| 順位 | 作品名 | 内容 |
|---|---|---|
| 1位 | 大ピンチずかん2 | 失敗の原因まで分析する続編 |
| 2位 | わすれていいから | 猫が見守る子どもの成長と別れ |
| 3位 | シカしかいない | シカだらけの探し絵 |
| 4位 | いちごりら | 食べ物と動物が合体する言葉遊び |
| 5位 | ちょっぴりながもち するそうです | 心が少し楽になるおまじない |
| 6位 | トドにおとどけ | 似ている海の動物を見分ける |
| 7位 | 火の鳥 いのちの物語 | 命のつながりを描く |
| 8位 | おすしが あるひ たびにでた | おすしが見立ての世界を大冒険 |
| 9位 | パンダのおさじと ふりかけパンダ | 好き嫌いを変える不思議なふりかけ |
| 10位 | そそそそ | 動物の体が伸びるナンセンス絵本 |
| 10位 | くまたのびっくりだいさくせん | 母親を驚かせたい子ぐまの奮闘 |
大人が読むなら、この3冊
- 子どもの成長と別れに泣ける:『わすれていいから』
- 疲れた日に読みたい:『ちょっぴりながもち するそうです』
- 命について考えたい:『火の鳥 いのちの物語』
MOE絵本屋さん大賞2024を1位から紹介
1位:大ピンチずかん2
ご飯粒を踏んだ、外出中にズボンのゴムが切れた、口の中をかんだ。日常で突然やってくる大ピンチを集めた『大ピンチずかん』の第2弾です。
今回は、ピンチの大きさだけでなく、ドキドキ、イライラ、痛い、恥ずかしいなど、なぜ困っているのかを「大ピンチグラフ」で分析します。
子どもが泣いたり怒ったりしていると、大人には「それくらい」と見えることがあります。しかし、何が苦しいのかを分けて考えると、対処法も見つけやすくなります。
失敗を笑うだけでなく、自分の感情を知るところまで進んだ続編です。
2位:わすれていいから
猫の「おれ」が家へやってきたとき、そこには生まれたばかりの「おまえ」がいました。
二人は隅っこで寄り添いながら、一緒に大きくなります。しかし、子どもは少しずつ外の世界へ出ていき、猫と過ごす時間も減っていきます。
ずっと覚えていてほしいと引き止めるのではなく、「わすれていいから」と送り出す言葉に、猫の愛情が詰まっています。
子どもの成長、家族との別れ、老いていくペットを経験した人ほど、当たり前だった時間の大切さに気づかされる作品です。
3位:シカしかいない
公園、銭湯、レストラン。ページのどこを見ても、いるのはシカばかりです。
ただし、本当にシカしかいないのかは、よく見ないと分かりません。堂々とシカのふりをしている別の存在や、妙な行動をしているシカが紛れています。
「シカしかいない」という言葉の繰り返しだけでも笑えますが、細部を見るほど新しい発見があります。
一度読んで終わるのではなく、何度もページを戻って探したくなる絵本です。
4位:いちごりら
いちごが好きなゴリラが、いちごをたくさん食べると「いちごりら」に変身します。
食べ物と動物の名前がつながり、姿まで予想外に変わっていく言葉遊びの絵本です。
文章のリズムがよく、読み聞かせでは次に何へ変身するのかを子どもと予想できます。
言葉だけでなく、ページをめくった瞬間の大きな絵の変化も面白く、声に出して読むのに向いています。
5位:ちょっぴりながもち するそうです
好きな本の間に一晩挟んだハンカチは、心配事を吸い取ってくれる。こまめにストレッチをすると、ほとぼりが冷めやすくなる。
本当に効果があるのかは分かりませんが、少し試してみたくなる「おまじない」が次々に紹介されます。
悩みを根本から解決しようとすると、それだけで疲れてしまうことがあります。そんなときに、気分を変える小さな動作を一つ持っておく。
忙しい大人が自分のために読んでも、心が少し軽くなる絵本です。
6位:トドにおとどけ
カモメの配達員が、トドの誕生日ケーキを届けに出発します。
しかし、家から出てきたのはトドによく似たアシカ。次に会ったのも、よく似たアザラシでした。
トド、アシカ、アザラシ、オットセイなど、見た目の似た海の動物たちの違いを、物語を読みながら知ることができます。
言葉遊びの題名も覚えやすく、笑いながら動物の特徴を学べる絵本です。
7位:火の鳥 いのちの物語
手塚治虫の『火の鳥』をもとに、絵本作家の鈴木まもるさんが命のつながりを描いた作品です。
地球上では、人間だけでなく、動物、鳥、虫、植物など、数え切れない命が生まれ、次の命へつながっています。
どこから命が来て、なぜ生きるのか。大きな問いを、火の鳥と美しい絵を通して語りかけます。
漫画版『火の鳥』を知っている大人にも、子どもと命について話す入口を探している方にも向いています。
8位:おすしが あるひ たびにでた
マグロのおすしが、目的地の「おすシティ」を目指して旅に出ます。
おすしは海や雪山、砂漠を進みますが、背景に使われているのは食べ物や文房具などの身近な物です。
ポテトが岩山に見えたり、日用品が巨大な建物に見えたりと、田中達也さんらしい見立て写真が続きます。
前作『おすしが ふくを かいにきた』より冒険色が強く、細かな背景まで探しながら楽しめます。
9位:パンダのおさじと ふりかけパンダ
食べ物の好き嫌いが多いぱこちゃんが、スーパーでもらった「ふりかけパンダ」をご飯へかけます。
すると、小さなパンダのおさじが現れました。ふりかけを料理へかけ、呪文を唱えると、いつもの料理が楽しいパンダ料理へ変わります。
嫌いな食べ物を無理に食べさせる話ではなく、見た目や気分を変えることで、もう一度向き合ってみようと思わせてくれます。
前作と同じく、便利な道具には守らなければならない約束もあります。
同率10位:そそそそ
木にしがみついていたコアラの親子。落ちそうで心配していると、コアラの足が突然長く伸び、「そそそそ」と歩き始めます。
その後も、さまざまな動物の体が予想もしない方向へ伸びていきます。
なぜ伸びるのか、どこへ向かうのかという説明はありません。意味を考えず、動きと音の面白さを楽しむナンセンス絵本です。
同率10位:くまたのびっくりだいさくせん
くまの子・くまたは、母親を驚かせて「くーちゃん、さすがね!」と褒めてもらいたいと思っています。
お気に入りのカップを花とダンゴムシで飾ったり、冷蔵庫の卵へ絵を描いたりしますが、思ったような反応は返ってきません。
大人から見れば困る行動でも、くまたに悪意はなく、母親を喜ばせたい一心です。
子どもの行動だけを見て叱るのではなく、その裏にある気持ちまで見てほしいという、親子の愛情が伝わります。
MOE絵本屋さん大賞2024 新人賞
| 順位 | 作品名 |
|---|---|
| 1位 | ぎょうざが いなくなり さがしています |
| 2位 | おふろさん |
| 3位 | そうじきのなかのボンボン |
| 4位 | えっびっ このこ だいっきらい |
| 5位 | うらめしや もののけしょくどう |
1位:ぎょうざが いなくなり さがしています
「町から餃子がいなくなり、探しています」という放送を聞いたとしおくんが、餃子に何が起きたのかを真剣に考えます。
自分で逃げたのか、誰かに連れ去られたのか。大人なら聞き流す放送から、子どもの想像がどんどん広がっていきます。
2023年の新人賞3位から、翌年の新人賞1位へ順位を上げた作品です。
2位:おふろさん
毎日けんちゃんを温めている家のお風呂が、自分もお風呂へ入ってみたいと思い、銭湯を目指します。
いつも誰かを気持ちよくしているお風呂が、初めて大きなお湯につかる姿が微笑ましい作品です。
寒い時期に読みたくなる、体まで温かくなるような絵本です。
3位:そうじきのなかのボンボン
古い掃除機の中で暮らす、ボンボンとボンボンパパ。掃除機が吸い込んだものを使い、自分たちの家を作っています。
人間にとっては捨てるだけのほこりや小さなごみも、掃除機の中から見れば、別の世界を作る大切な材料です。
やがて掃除機が壊れ、ボンボンたちは見たことのない外の世界へ運ばれていきます。
4位:えっびっ このこ だいっきらい
自分の家へ新しくやってきた小さな存在を前に、えっびっは「この子が大嫌い」と感じます。
きょうだいが生まれたときの嫉妬、不安、寂しさを、勢いのある言葉とユーモラスな絵で描いた作品です。
すぐに「仲良くしなさい」とまとめるのではなく、嫌いと感じる気持ちも含めて子どもの心へ寄り添います。
5位:うらめしや もののけしょくどう
夜になると、身の回りの道具から生まれたもののけたちが、食堂「うらめしや」へ集まります。
メニューは、電池にぎりずし、ほこりのほっこりスープ、ワタのふわふわハンバーグなど、普通の食堂にはないものばかりです。
リモコン、照明、じゅうたん、掃除機など、それぞれの道具に合った料理を探す楽しさがあります。
MOE絵本屋さん大賞2024 ファーストブック賞
ファーストブック賞は、その年に刊行された0・1・2歳向けの絵本を対象とする部門賞です。
| 順位 | 作品名 |
|---|---|
| 1位 | きらきら ぴかぴか どうぶつ だいすき |
| 2位 | ぐるぐるさん |
| 3位 | きてるの だあれ? |
| 4位 | ミニカーたんけんたい |
| 5位 | どうぶつ |
1位:きらきら ぴかぴか どうぶつ だいすき
赤ちゃんが注目しやすい、きらきらと光る動物の絵を集めた知育絵本です。
まだ物語を追えない時期でも、光や色、動物の顔を眺めながら楽しめます。
丈夫な作りで、赤ちゃんが初めて自分で触る絵本にも向いています。
2位:ぐるぐるさん
丸い仕掛けを指で回すと、模様が広がったり消えたり、ぐるぐると変化する赤ちゃん向けの仕掛け絵本です。
見るだけでなく、自分の指で動かした結果がすぐに絵へ表れるため、何度も繰り返して遊べます。
3位:きてるの だあれ?
動物の手を指人形のように動かしながら、「赤いセーターを着ているのは誰?」と当てて遊ぶ仕掛け絵本です。
問いかけに答え、ページをめくって正解を確かめる繰り返しを親子で楽しめます。
4位:ミニカーたんけんたい
家の人がいない間、小さなミニカーたちが家の中を探検します。
人間には普通の家具や日用品も、ミニカーから見ると巨大な山や道になります。
車が好きな子どもだけでなく、身近な場所を違う大きさから眺める面白さがあります。
5位:どうぶつ
仕掛けを動かすと、電池を使わずに動物の音が鳴る赤ちゃん向けの絵本です。
かわいい動物を見ながら、仕掛けを動かし、音を聞いて遊べます。
丈夫なボードブックで、動物の名前を覚え始める時期にも向いています。
MOE 2025年2月号では11~30位や選評も読める
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総合ランキングの11~30位、受賞作家へのインタビュー、書店員の推薦コメント、読者が選んだ2024年の絵本などは『MOE 2025年2月号』に掲載されています。
古い号なので、新品が見つからない場合は中古在庫も含めて探す形になります。
MOE絵本屋さん大賞2024まとめ
2024年は、『大ピンチずかん2』『シカしかいない』『いちごりら』『トドにおとどけ』『そそそそ』など、言葉遊びや繰り返しで笑える作品が多く入りました。
一方で、『わすれていいから』『火の鳥 いのちの物語』は、家族との時間、成長、別れ、命を正面から描いています。
親子で笑って読むなら『大ピンチずかん2』、大人が自分のために読むなら『わすれていいから』、気持ちを少し軽くしたいなら『ちょっぴりながもち するそうです』がおすすめです。










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