【2025年1月26日 ストーリーのネタバレを追記・更新】
2025年1月23日に発売したPS5・PS4/Steam/Xbox Series X|S/Nintendo Switchソフト『ENDER MAGNOLIA: Bloom in the Mist』の全エンディングを見た感想・評価・ストーリーの要約になります。前作『エンダーリリーズ』と比較しながら綴っています。項によってはネタバレ注意です。
ENDER MAGNOLIA: Bloom in the Mist とは
暴走する悲しき人工生命「ホムンクルス」によって滅びゆく終末世界を舞台にした探索型2DアクションRPG
多くのお客様からのご愛顧いただき、全世界150万本を達成した『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』の続編となるタイトルです。前作『エンダーリリーズ』で描かれた死の雨の災厄から数十年後の物語。暴走する悲しき人工生命体「ホムンクルス」によって滅びゆく終末世界を舞台にした探索型2DアクションRPGです。
人とホムンクルス、救済の旅の果てに待ち受けるものとは。
公式サイト:https://www.endermagnolia.com/ja/
プレイ人数:1人
CERO:C
ジャンル:探索型アクションRPG
前作『エンダーリリーズ』はクリア済み
クリアした感想・評価
充実した設定のストーリーだからこそ……

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舞台は、地下に眠る膨大な魔力資源によって栄えた魔法大国「煙の国」。発展の末に生み出された人工生命「ホムンクルス」は輝かしい未来をもたらすはずだった。地下から吹き上がる穢れた煙はホムンクルスを狂わせ、暴走する怪物へと変貌した。
ホムンクルスを救済する力を持つ調律師「ライラック」は、下層深くの地下の実験場で目覚め
この国の悲劇に大きく関わる一人の「ホムンクルス」と出会う。ライラックは契りを結んだホムンクルスと共に、失われた記憶と大切な仲間の行方を探して広大な煙の国での旅を始める。
これは死の雨の災厄から数十年後の、終末の世界で描かれる破壊と再生の物語。
前作『エンダーリリーズ』は、白巫女:リリィが主人公でした。穢れた存在に変貌させる「死の雨」の原因を突き止めよう! というのが大まかな流れ。

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一方、本作『エンダーマグノリア』は、調律師:ライラックが主人公です。ホムンクルスを調律→修復することで、ライラック自身も喪失した記憶を取り戻していきます。ステージとしては、下層からスタートし、中層を経て、上層を目指しましょう! という流れ。
全エンディングを見て、ゲーム内の文書を読み直し、ストーリーの整理(=ネタバレをまとめる)をした上での感想になりますが、、、世界観やキャラの設定がしっかりしている割に、ゲームをプレイするだけではストーリーがやや伝わりにくいかも? と感じました。

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例えば、フギン。キャラの設定はあるが、それを表現する機会がゲーム内であまりない。サブクエストでもあれば……と思ったり。後述するパーティーチャットだけでは物足りない。

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最初に仲間になるノラも同様です。ずっとオッサンだと思ってたんですが、女性でした(たぶん)。最終的には謎が解けるのですが、振り返ってみて、「あー、そういうことだったのね」と理解することばかり。8年ゲームレビューを書いていますが、こんなことは初めてでした。
これは、メトロイドヴァニア(探索型の横スクロールアクション)だからこそかもしれません。次に何をすれば良いのかが明確なジャンルなので、探索に夢中になってストーリーは後回しにされがちなのかな……、と。
なので、キャラのセリフを嗜みながら、文書をしっかり読みながら、ストーリーを噛み締めてほしいと考えています。
世界観は少し明るく。コンセプトアートも美しい

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舞台は、魔法と機械文明が発展して上に積み上がり階層化した魔法大国。捨てられた旧市街、血塗られた研究所、荘厳な魔術学院、巨大工場など独特かつ美しくも残酷な世界が広がっています。
本作は、暗い世界観ではあるものの、前作『エンダーリリーズ』よりも格段に明るいです。下層より中層、中層より上層に行くにつれて顕著になりますね。
また、休憩所では、仲間同士でパーティーチャットが発生する場合もあり、会話を楽しむことも。一緒に冒険している感はあまりなかった前作とは異なり、一部のキャラは、個性が伝わるのもポイント(声優さんのボイスがあればまた違ったと思います)。
世界観を壊さないように、でも挑戦したい。そんな意志を感じます。

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2Dですが、工場で爆発があったり、奥行きのある人工的なライトが美しかったり。前作よりも人工物が増えてます。

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なんでそんなとこにおるんや! とツッコミたくなる探検家ルヴィ。明るくかわいいので、会えると嬉しい。

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フンコロガシのようなホムンクルスがいたり

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『SEKIRO』の弦ちゃんを思い出す花畑。

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コンセプトアートを見ても、どれも美しくて壮大。薄暗い中でありながらも、どこか幻想的で。暗い色調の中に華やかさを添えているかのよう。建造物の細部や質感も伝わってくるため、世界観をより一層魅力的なものにしている……と考えています。

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そんなコンセプトアートの中には、なんとボツ案もありました。作品を世に出す上で、試行錯誤があるのは当然。それらが伝わると嬉しい。
難易度はかなり低くなった。ユーザーフレンドリーに
これは前作『エンダーリリーズ』の僕のレビュー記事のスクショです↓↓
結論から言うと、本作はバトルも探索も易しくなりました。

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それでも強い敵はいますが……死亡する回数が10分の1くらいに減った気がする
ボスの行動パターンを完全に把握し、その対策を練る。フロム・ソフトウェアのゲームのように、一筋縄ではいかないボスばかりでした。例えば、空中で落下させるとダメージが入るので、ダウンゲージを調整→空中で削り切る→叩き落とす こういった小さいテクニックを活かす必要があったんです。
しかし本作の場合、スキルが増え、必殺技も追加され、本っ当に簡単になりました。

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そして、難易度設定が可能になっちゃいました。賛否両論だと思われます。
敵の最大HP・攻撃力・耐性などを低く出来るので、実質ヌルゲーにもなります。メトロイドヴァニアでも、難易度が低い部類に入るでしょう。逆に高くすれば、前作に近い難易度になるでしょうか(体感的に)。
難易度調整によって取得出来るフラグメントは、ゲームプレイに関係ないですが、コスチューム変更やコンセプトアートの購入などが出来ます。全て最弱にするとフラグメントボーナスは×0.1に。最大は×2.5です(これも不満の一つ)。
ちなみに、コンセプトアートを購入→ゲームを落として再起動すると、フラグメントを使う前の状態に戻ります。なので、律儀に集める必要はないかも? こういった点もユーザーフレンドリーになったと言えるでしょう。
個人的にはつまらないですが……ゲームにおける新しい試みであり、より多くの人にプレイしてもらいたいという気持ちが伝わるため、素晴らしい機能に違いありません。

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誰かに見せると解明できるかもしれないクエストアイテム。これをを入手すると、その誰かに近づくと、自動でイベントが進行したり。
トロコンも簡単
トロコンを意図的にしようと思ったことはないですが、本作をクリア後、あと一歩でトロコンでした。
エンディングを全種類見て、クラフトショップ・スキルなどを全取得すればOKです。
その他・小ネタ・不満点も

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エンダーリリーズとエンダーマグノリアの比較は、メニュー画面が一番わかりやすいと思います。見比べてみると、装備(シェル・バングル・エイド)、インベントリ、メッセージが追加されました。MAPを埋めた時の色が、オレンジから青色になったり。それでもやはり一番は、難易度です。

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このスキルを使わないと先に進めない! このボスは凍らせないと倒せない! みたいなギミックや弱点が皆無。なので、使わないスキルが多かった。

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回避アクションが横移動に。前作の前転がものすご~く印象深かったので、個人的には残念なポイント。主人公への愛着もなし。

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ボスキャラのデザインで、心惹かれるものが前作よりも少なかった。穢者とホムンクルスの違い……だけでは説明しきれないというか、禍々しさが減ったなあ、と。もっと気色悪くなるような、グチャグチャして禍々しくて悍ましいホムンクルスが見たかった。

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モトリー(ミリアス家の領主の息子)の元の人間の姿って、これしかない……? エクストラ→人物で見てもノミ? ダニ? しかない。
クリア時間・クリア後
クリア時間は28時間ほど。
クリア後は、ゲームスタート画面を選択できるようになります。Aエンディングの場合、Bエンディングへのヒントが出ます。
攻略情報
クラフトショップでの立ち回り。コアの原珠・旧型のコアなどは使ってOK
魔導管は、マテリアルの三分の一くらいの割合で使ってました。
バングルは、一つは現在最強のもの作って、もう一つは拾うのが良いかと。探索中に、グリモアやバングルを入手できることがあるため。ただ、トロコンするためには、スキルもバングルもシェルも全て作成する必要あり。
特殊合金の部品などのスキルパーツは、余りがないように出来ています。これが足りない! とかないので入手したら即使ってOK。
レリックのおすすめ
最終的には、コストが30を超えます。
脚力強化のギア
穢れたダイス
紅のリボン
清浄な花飾り
ミリアス家の耳飾り
この5つはマストでした。古の民の瞳もいいですね。
首のない金像:敵を倒した時、ちょっと嬉しいものを得ることがある……これはジャンクなのかマテリアルなのか。わかりませんでした。
あとは、戦術に依るでしょう。ノーダメージに自信がある方、回復にリソースを割く方などで異なります。ケインの指輪orデクランの指輪を使ってましたが、気休めな気がします笑(コスパが悪いので)。
おすすめスキル

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全部のスキルを使った上で、自分好みは以下になりました。
探索
□:リーパー
△:バーンフィストor突進→花の型
◯:オートホーミング(なんだかんだで便利)
R1:バラージショット(中距離からチクチクすることが多かった)
ボス戦
□:ブレイカー
△:バーンフィスト→花の型
◯:オートホーミング
R1:バラージショットor重力の柱
結局、状態異常系は使わず……。ボス戦はダウンを取りにいきたいので、ブレイカーに切り替え。R2で発動するシェルも防御可能時間が長かった気が……(クリア後に振り返ったら、リュサイのシェルの効果でした)
最もお気に入りは、花の型です。後半になると宙に浮くボスが多かったので、とても便利でした。七号の奥義:秘太刀のモーションも好き。
ジャンク集め おすすめの場所

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ジャンク集めは、後半になってからが絶対におすすめ。
穢れたダイス(経験値アップ)やホムンクルスの瞳(ジャンクアップ)は最優先にしても、中盤くらいまではジャンクが集まりません。ラーシュの疾空(壁にぶつかるまで横にビューンっと移動できるようになる)までは、どう頑張っても非効率です。ガラムの落撃・犬のダッシュでは、非効率極まりない。
なので、生体研究所でラーシュを改造し終えた後にするのがおすすめ。チュートリアルで端から端までビュンビュン飛び回るのですが、そこが一番おすすめ。生体研究所エリアは左右に長いので、エリア的にもおすすめです。
また、後半になると、中層~上層では、ジャンクそのものが拾えます。
ネタバレ
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ストーリーの要約・解説・考察

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『エンダーリリーズ』では、穢れを浄化する白巫女リリィが主人公でした。穢れた存在に変貌させる「死の雨」の原因を突き止めましょう! というのが大まかな流れ。
リリィは先祖と対峙し、魂を浄化することで「死の雨」を止め、果ての国に静寂を取り戻しました。
~~~時系列が本作に~~~
死の雨によって穢者になった人間は不死なので、ホムンクルスにして制御しよう! というのが始まり。
そこで、ケイン・ミリアスは天傘の塔を作る。根源の地の魔力を吸い上げて結界から粒子に→ホムンクルスの動力源に。もともとは、ホムンクルスによって国を守るつもりだったと、ケイン・ミリアスの書にある。ケインの弟:デクランがホムンクルスを作り、そして、ケイン自身のホムンクルス:ギルロイを補佐するために生まれたのが、ノラ(本名マグノリア)。塔の管理は、ミリアス家にしか出来ない。
ミリアス家と双璧を成すのが、白巫女の血を引くフロスト家(リリィの血筋)である。
死の雨の影響を受けるのはミリアス家だけであり、フロスト家は平然としていたとのこと。死の雨の穢れによってホムンクルスが変異体になるのを避けるため、フロスト家の巫女の一族の生体を培養して移植→浄化器を作る。
このような流れがあり、ホムンクルスを守るために、フロスト家から調律師が誕生した。領主アベリア・フロストは調律師を育てる。

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クズ中のクズ:デクラン(僕は好きですが……w)
デクラン・ミリアスは、ホムンクルスの生みの親でケインの兄弟。マッドサイエンティスト化したデクランは、甥であるリアス家領主の息子:モトリーをホムンクルスに改造し、下層に突き落としていた(時系列としてはもっと前かも? その後、闘技場作ったりして遊んでる)。ギルロイがおかしな方向に走ってしまったのは、自身の代わりに領主に見込んでいたモトリーを失ってから、と推察される。ちなみに、ライラックの仲間になるホムンクルスの大半は、デクランの被害者。
フロスト家だけが生き残る国になることを危惧し、ギルロイとマグノリアはフロスト家&調律師を粛清する。フロスト家の領主アベリアを殺したのはマグノリアであり、家からリリアを追い出した話を、アベリアの護衛:ローナから聞ける。
根源の地にある浄化器(浄化柱って言われてた)は、フロスト家の巫女を一人丸々保存しなければならないらしく、リリアは人柱力になって国を守っていた。調律師長ヨーランの手記では、リリアを助けられなかった後悔が綴られている。
主人公ライラックは、そのリリアに育てられた調律師。根源の地になぜ赤ん坊が……? とアベリアに言われていた子どもだと思われる(出生は謎)。ノラが記憶を失っていた理由はわからないが、ケイン・ミリアスの善き魂を受け継いだ、という意味で、主人公適性のあるホムンクルス(だと感じています・考察というレベルではないですが)。
Aエンドは、ギルロイの代わりに、ライラックとノラが結界の継承をする。

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エンディングBの条件を満たしてリリアを浄化柱から助けると、自分の選択を後悔していないと聞ける(リリアの穢れた指輪もゲット)。
ギルロイは結界を生み出す力を、マグノリアは結界を破壊する力を持っている。ギルロイを倒し、結界を破壊して、根源の魔力を解放し、死の雨を消す。これがBエンド。トロフィー:終りと始まり 獲得。フロスト家とミリアス家を再興……みたいなイメージ。積み上げてきた設定を全て壊すような、儚くきれいなエンディングでした。

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プレイ中は、前作の主人公:リリィと、本作のキーパーソン:リリア・フロストをなんとな~く同一視していました。が、こうしてまとめてみると、祖先であることがわかります。似たような名前にしたのは、制作の愛着からでしょうか。
似ているストーリーとしては、FF16、テイルズオブアライズ、漫画だとONE PIECEや進撃の巨人などでしょうか。超ざっくり言うと、有能種族が粛清されその生き残りが世界を救う……みたいな構成ですね。
エンディングの条件と内容

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エンディングAは、そのままクリアしたら達成しました。おそらく、リリアの穢れた指輪を装備していない状態で、ギルロイを倒せばOK。
エンディングBは、穢れた瞳、煙の国の石板を入手(MAPを100%近く埋める必要あり・現在進行不可のところから根源の地に入る)→リリアの穢れた指輪を装備→ギルロイを倒せばOK。
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おまけ:メトロイドヴァニアおすすめランキング
1位
神ゲー
2位
難しい。リリィのダイブが好き。ボスが強すぎ。コントローラーを投げたくなったゲーム1位か2位。でも、記憶に残る。エンディングも好き。
3位
難しい。ボリューム半端ない。イライラする。もうヤダ……。でも、記憶に残る。
4位

まとめ:メトロイドヴァニア初心者におすすめ
面白かったです。しかし、一度も躓くことなく、あっさりとクリア出来てしまったため、個人的には物足りなさが残りました。前作『エンダーリリーズ』の方が、世界観の明暗・エンディングの美しさ・理不尽な難易度による苦しみがあり、断然好きでしたね。みなさんはいかがだったでしょうか……
しかし、より多くの人に楽しんでもらいたい! という意図が明確に伝わる作品だったので、シリーズ的には良い方向に進んでいるのではないでしょうか。
ENDER MAGNOLIA: Bloom in the Mist
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