『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』をクリアしてレビュー記事をアップしております。そこで、黒鈴ミヲについて以下のように綴っていました。
主人公格ではないのにやけに活躍する。なのに、人物リストが更新されるような掘り下げがない! 続編ではミヲちゃんをぜひ!
その願いを、そのまま拾ってくれた作品がコミカライズ『パラノマサイト FILE25 霊感少女・黒鈴ミヲの邂逅』になります。ゲーム本編の漫画化ではなく、『FILE23 本所七不思議』の後日談です。
全9話で連載は完結。コミックスは全2巻で、下巻は2026年8月6日に発売予定です。その感想を綴りました。
FILE23をクリアした人に向けた新作

原作は『FILE23』『FILE38』と同じ石山貴也さん。黒鈴ミヲ、津詰徹生、襟尾純などゲームの登場人物が再登場し、新主人公・桜宮弐乃の周囲で起きる怪異を追います。
事件自体は漫画の中で始まり、全9話で決着します。ただ、黒鈴ミヲが何者なのか、津詰たちがなぜ怪異へ関わっているのかについては、ゲームを知っている前提で進む部分があるかもしれません。結果的に、『FILE23 本所七不思議』を先にクリアしてから読むのがおすすめです。
画像は電子書籍から引用しております
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』の感想・真エンドはこちら
念写少女・桜宮弐乃との出会い
主人公の桜宮弐乃は、東京都北区の私立高校に通う女子高生です。
弐乃が写真を撮ると、肉眼では見えない霊や異変が写り込みます。同級生の祖母が川へ転落する事故が起きたあと、弐乃の周囲でも奇妙な出来事が続くようになりました。
そこへ現れるのが黒鈴ミヲです。

ミヲが霊や呪いを見抜き、弐乃が念写した写真から手掛かりを探す。二人の能力が違うため、ミヲだけで事件を片付ける話にはなっていません。
弐乃も助けられるだけのキャラではなく、自分の能力と向き合い、事件を解決するために行動します。怪異を通して二人の距離が縮まり、ミヲに新しい友達ができていく流れも良かった。基本的な話がフツーに面白いです。
黒鈴ミヲの可愛さとカッコよさ
『FILE23』のミヲちゃんは、霊や呪いに詳しく、危険な場面でも迷わず動く頼れるキャラでした。本作では、そのカッコよさを残しながら、学校へ通う姿や同年代との会話も描かれます。

除霊に入った時の迫力はすごい
普段は無表情で小柄な女子高生なのに、数珠を持って怪異へ向き合うと一気に頼もしくなる。可愛さとカッコよさのギャップが、漫画になったことでさらに強調されております。

一方で、教室では静かに自己紹介し、周囲から少し暗いと思われてしまったり
名前を間違えられて訂正するお決まりのやり取りや、ドヤ顔、おちょぼ口など、ゲームで好きだった部分もしっかり残っていました!
何でもできる霊能力者ではなく、普通の学校生活では少し不器用。その両方が描かれたことで、黒鈴ミヲというキャラがさらに好きになる方ばかりでしょう。
ゲームを思い出せるキャラクターたち
黒鈴ミヲだけではなく、津詰徹生、襟尾純、津詰約子、奥田瞳など、『FILE23』の登場人物も関わります。

あらすじも面白くわかりやすい
ゲームをプレイしたならば、キャラが並んでいるだけでも嬉しいですね。
津詰と襟尾が怪異を調べ、約子たちがミヲを手伝う。『FILE23』の事件が終わったあとも、それぞれの関係が続いていることが分かります。本編の重い展開を思い出させながら、デフォルメされたキャラによる軽いやり取りも入る。この緩急も『パラノマサイト』らしいのかな。

さらに、プロフェッショナル探偵・櫂利飛太も登場します。
大げさな仕草、妙に自信満々な態度、名刺を出すまでの流れもゲームのまま。漫画用にキャラを変えるのではなく、ゲームで印象に残った部分をそのまま動かしてくれています。
旧作キャラが顔見せだけで終わらず、事件の中で役割を持っているのも良かった。
『パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語』に登場したキルケ・ルナーライトも姿を見せます。FILE38をクリアしていなくても理解できますが、キルケと心霊対策室《シンタイ》の関係を知っていると、登場した意味が分かりやすくなります。
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足立姫と江戸六阿弥陀を使った新しい怪異
本作で扱われるのは、本所七不思議の使い回しではありません。東京都北区・足立区を舞台に、足立姫と江戸六阿弥陀にまつわる伝承が事件へ組み込まれています。
心霊写真から始まった話が、学校内の異変、過去の伝承、現在まで残った因縁へ広がっていく。実在する土地と伝承を怪異へ落とし込む作りは、『パラノマサイト』そのもの。
ゲームのような操作や分岐はありませんが、序盤に出た情報が後半で意味を持つ構成や、緊張感のある場面に軽い会話を挟むテンポも再現されています。
桃山ひなせ先生の作画が素晴らしい
作画は『エリスの聖杯』『ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編』などの桃山ひなせ先生です。
ゲームのキャラクターデザインを崩さず、表情、仕草、会話のテンポまで漫画へ落とし込んでいます。特に素晴らしいのが、場面による絵の切り替えです。
除霊では黒を強く使い、怪異の恐ろしさとミヲちゃんの力強さを見せる。一方、学校や仲間との会話では、デフォルメされた表情を使って笑わせます。
ホラー、ミステリー、キャラ同士の軽いやり取りが、どれも読みやすくまとまっていました。ゲームの立ち絵をそのまま漫画へ置いただけではありません。『パラノマサイト』のキャラが、本当にコマの中で動いているように見えます。
ゲーム未プレイでも読める?→読める!
漫画だけでも事件の大筋は追えると思われます。ただ、ミヲ、津詰、襟尾、約子たちが登場した時の面白さは、FILE23を知っているかどうか。これに関してはわかりませんが、概ね大丈夫かな、と。
読む順番は以下推奨
- 『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』
- 『パラノマサイト FILE25 霊感少女・黒鈴ミヲの邂逅』
- 『パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語』
FILE38を先にクリアしている場合も、キルケの登場を楽しめます。
制作の裏側も
スクエニの公式動画では、石山貴也さんと桃山ひなせ先生が、ゲームのキャラクターを漫画で動かす難しさや、北東京を舞台にした理由、黒鈴ミヲの描き方を話しています。
FILE25とシリーズ新作との関係にも触れられているので、読了後に見ると面白いと思います。
ネタバレ:全9話の結末と今後
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FILE25の事件には決着がつき、弐乃は念写能力を以前より安定して使えるようになります。
ミヲに助けられるだけだった少女が、怪異と関わった経験を持つ一人として残り、ミヲも弐乃を新しい友達として受け入れます。
一方で、事件の裏で動いていた占い師の正体や目的、《シンタイ》と足立姫の関係など、シリーズ全体へ持ち越された要素もあります。
FILE23で掘り下げが足りなかった黒鈴ミヲへ答えを出しながら、弐乃や足立姫を次の物語へ残す終わり方でした。
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上巻・下巻の発売日
『パラノマサイト FILE25 霊感少女・黒鈴ミヲの邂逅』は全2巻です。
- 上巻:2026年2月6日発売
- 下巻(完):2026年8月6日発売予定
電子版の上巻には、デジタル版限定特典イラストも収録されています。
まとめ:素晴らしいコミカライズ!
『パラノマサイト FILE25 霊感少女・黒鈴ミヲの邂逅』は、FILE23を漫画に置き換えただけの作品ではありません。
黒鈴ミヲの可愛さとカッコよさ、ゲームでおなじみのキャラクター、実在する土地と伝承を使った新しい怪異。そこへ桃山ひなせ先生の素晴らしい作画が加わっています。
ゲームで好きだった空気を残しながら、黒鈴ミヲと桜宮弐乃の新しい物語として成立しているのも◎。FILE23の記事で「続編ではミヲちゃんをぜひ!」と書いた身としては、まさに読みたかった内容でした。
ゲームのファンが読んでも違和感がなく、新しい読者にも黒鈴ミヲの魅力が伝わる。素晴らしいコミカライズでした!(ホントにすごい!)
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