2023年10月26日にSteam / DLsiteで発売された『ウーマンコミュニケーション』を全エンディングクリアした感想になります。エンディングの分岐条件などを含めて、項によってはネタバレ注意です。
エロエロアプリも！！
ウーマンコミュニケーションとは
会話の中でセンシティブワードが偶然に出てしまう……なんてことは良くあることです。たとえば「カフェラテをカチンコチンに凍らせる」という会話の中には、うっかりセンシティブなワードがなんと2つも。こんな破廉恥を放置していいのでしょうか。もちろん、答えは「ノー」。
本作は、学園の風紀委員として「うっかりセンシティブワード」を指摘して風紀を正し、美しい日本語を守る知的なゲームです。
クリアした感想・評価
どんなゲーム？ →会話の中のNGワードを撃ち抜け！
本作は、会話の中でうっかり出てくるNGワードを撃ち抜くことで風紀を守る、という流れ。例えば、「カフェラテをカチンコチンに凍らせる」という発言の場合↑↑、、、２つの卑猥な単語が意図せず入ってますよね？ だからそれを撃ち抜きましょう！ と。
ゲーム性としてはこれ以上でもこれ以下でもないので、とても簡単に楽しめます。己の中に中高生の時のような価値観を忘れずにいる方は、特に。
ストーリーとしては、プレーヤーは学園に通う生徒で、幼馴染の久梨子（右）の紹介で、マコ（左）とさち（中央）風紀違反を手伝うような流れ。
恋愛シミュレーション要素もあるかも……？
１コインで、時間停止装置をゲット。おそらく、クリアに必須のアイテム。
Chapterごとに用意されたステージで卑猥な単語を撃ち抜き、コインとハートを集めましょう。ストーリーも並行して進みます。
「無理やりチンゲン菜」のチを撃ち抜くと、１回の発射で２つの単語を撃ち抜いたのでダブルショットの豪華演出が入ったり。遊びココロも◎。
ステージをクリアすると、総合評価と会話・ワードを確認することが出来ます。１ステージ１分以内な上に、早送りも出来てサクサク進めることが可能。テンポが良いのも◎
ボスを倒してChapterクリアすると、プレーヤーを診断してくれます。
ゲーム実況者などに向けてモザイク処理の配慮も。また、単語をそのまま英語表記にしているだけで、漢字の表現は皆無なので、下ネタ感は薄いです。また、下品とも思えません。
僕もGoogleからお叱りを避けるため、例えばこの記事でchinchin↓↓と表現していたり。この辺りの配慮はとても良くわかります。
効果音・BGMも◎
没入感を損なうような演出もなかったですし、BGMや環境音なども良かったと思います。エンディングの一部で流れるピアノ曲は好きでしたし、NGワードを撃ち抜く音も良かったですね。
特に、ダブルショット時に流れるクラシック音楽は笑えます。曲名は、ベートーヴェン 交響曲第9番第4楽章より 歓喜の歌 です。歓喜すべきことなのでナイスチョイスだと思います。
意外と考えさせられる。言葉に興味がある人は特に
プレーヤーが名付けたキャラではなく、画面の前のプレーヤー本人に語りかけてくるという意味で『ドキドキ文芸部プラス』や『UNDERTALE』を思い出しました。
一周目に何も考えずにプレイしていたら、少し怖い展開に。それなりの洞察力を持ってプレイしましょう。
このブログの初期は、作家として食べていきたい という想いをがまだ捨てきれず、割と真面目な記事を書いていたんですよね。でも、そういう記事って、僕が書いてもアクセス数がお金に繋がらなくて。色々と試行錯誤する中で、今のような方向性に至るのですが、、、
何が言いたいのかと言うと、シンプルに、日本語という存在を考えさせられる一面がこのゲームにはあったということ。本作を、出版社で辞書関係の仕事している知り合いに教えてあげたい気持ちになりました。別に下ネタとかNGワード云々は関係なく、辞書編集者や言語学者の方もそれなりに楽しめるのではないか、と考えています（たぶん）。
色々な意味で難しい部分もある
ボス戦は弾幕をかわしつつキーワードを撃ち抜く必要があります。ダメージを受けるとスコアが減点されるため、エンディングの条件によっては非常に難しいステージに。やり直しは何度でも可能ですが、根性が少し必要かも。
最低難易度のチェリーだとワードに色がつくので、ボス戦を除くステージだと２～３回すればスコア満点出せるので良心的ですね。逆に、最高難易度だとマジで難しいです。このゲームで撃ち抜けるワードを把握しておかなければ、初見で満点は厳しいでしょう。
NETORARE ZECCHOもNGワードなのか……と思ったり
MARA、H にも反応してたら大変だよ、とか思ったり
「野菜」「双子」を撃ち抜くも、判定されず……。。。悲しかったです、、、笑。この辺りの倫理観を制作と揃えるのが難しいかも？
診断の精度が低い
このゲームの明確な不満点です。
チャプタークリア後に、プレイデータを元に診断してくれる機能があります。アイデアは非常に面白いと思うのですが、その精度が残念やなあ、と。僕の場合は、おっぱいフェチと言われれば否定出来ませんが、PAIZURIフェチではないですね……。
一笑いするよりも、言い当てられてドキッとしたかった気持ちがあったので、この点は面白かっただけに残念でした。
OP◯AIはまあ合ってます。でも、SEI◯HIは違うなあ。
最近、『すんどめ!!ミルキーウェイ』というマンガを読み返していたので、まあ合ってるっちゃ合ってるかも？ でも、ルネの妹よりも、僕は由井園遥さんが好きなんで、HINNYUだと完璧だったのに、、、とか思ったり。ちなみにカラー版がおすすめ。
診断系に関しては、もうちょっと具体的かつ詳細に教えて欲しかったですね。コンテンツとしては面白いです。
その他の気になった点
挿入 に関しては、捻りも何もない……笑。意図せず含まれる場合があるからそれを撃ち抜く とゲーム開始時に説明があるので、意味の誤用という観点でこれはちょっと違う気がする。
ジェントルマン小林 を出しすぎ。そこまで使いたいならば、キャラを登場させてほしい。
あとは、エンディング５を回収するために、会話をスキップしたかったってことくらいでしょうか。ボタン連打しなければなりません。ゲーム性の部分では特になし。
パッケージ版の発売を期待したいが、、、
赤い目玉みたいなアイテム（スクショし忘れた）を２０コインと交換すると、鍵を開けて隠しステージ的な道に行けるようになります。この演出が問題で、マリオ系のゲームをプレイしたことがある方ならば絶対に分かる演出なんですよね……笑。パクリとまではいかないですが、、、特にスーファミのマリオの演出とそっくりなんで、、、
個人的には、パッケージ版を発売するとなれば、ボイスを実装してほしい。原作はボイス無しなので、ボイスの有無を選択出来るようにして、特典をつけて３５００円くらいで発売すれれば良いんじゃないでしょうか。
Switch版も発売することを考えると、このマリオっぽい演出だけはちょびっと手を加えた方が良いかも？
クリア時間・クリア後
５時間ほど。クリア後はエンディングに依ります。全エンディングをクリアした後は、ゲーム購入時と同じように遊べるようになりました。
ネタバレ・攻略情報
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ストーリー
マコの家についていくとマコの母が登場→マコと主人公を認識せずスルーされる、という演出が入る。マコによると、プレーヤーが登場した段階で、世界初期化プログラムの起動条件の数字が上がっており、おそらくステージ数を指している、と。
なので、世界初期化プログラムを起動して、世界を元に戻そう、と。しかし、そこに幼馴染の久梨子が登場。元々は下ネタなんて言えなかったのに世界が変わって私もおかしくなってしまった、私はとことん汚れるね……と言われて、バトルに。
汚れた久梨子の弾幕攻撃……（これを躱すのがなかなか難しかった）。
勝利すると、プレーヤーを好きな気持ちのおかげで元に戻った久梨子。でも、プログラムを初期化すると、久梨子の気持ちも元の単なる幼馴染に戻ることに。それでも良いですか？ と聞かれる。
プログラムを起動するとさちが登場。ウーマンコミュニケーションは、ゲームの形を借りた職業訓練プログラムであることを知らされる。
あとはエンディング分岐によって異なってきます（後述）
さち・マコ・久梨子の３択は、たぶん分岐に関係ない
全エンディングを回収するならば、、、
効率が良いのは、一周目で♥７５を得ることです。ですが、僕のようにフツーにプレイして♥７５未満で二週目へ→エンディング２、３、４を回収。その後、エンディング５を回収するために♥７５を集めても良いと思います。
おすすめのアイテムは、KONDOMEみたいなヘルメット。２つあれば２回ダメージを受けてもOKになります。ラスボス戦の弾幕攻撃ががキツイ。
ウーマンコインを集める
ウーマンコインがなかなか集まらなかったですね。全アイテムを集めると解放される実績もあります。エンディングを全回収するならば、アイテムは全回収する必要なし。
金運アップのお守りLを購入して、数をこなすしかなさそうです。
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エンディング条件など
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エンディング２：風紀委員、もう一周
条件としては、一周目♥７５未満、ニ周目で名前入力時にNGワードを入力しかなった という感じでしょうか。僕の場合は、もも と一周目と同じように入力してこのエンディングでした。さちに怒られるので、なるほど、と。
エンディング３：カフェラテ、大好き
条件は、ニ周目の名前入力でNGワードを４回入力する→さちと会話することに。さちはNGワード判定システムだったことがわかる。NGワードがあまりにも多すぎて大変なの、みたいな、さちの苦労話を聞けます。質問したり裏話などを聞いた後、元の世界に帰りたい？ →「うん、ここから出ていくよ」を選択すればOK。さちがいない風紀委員会の世界線へ。
エンディング２を見た後にタイトルに戻り、メニュー画面でつづきからを選択することでスムーズに回収出来ました。
このくだりが、このゲームの中で一番笑った部分。
パスワード入力をさせすぎるインターネット界隈に問題がありますよねえ……。でも、個人情報の流出もそうですし、クレジットカード悪用なんて犯罪にもつながりかねない……。パスワード入力に問題提起しても無駄なので仕方ない→ちんちん みたいなワードを入力したくなるのも分かるんですよね。
僕にしても、ASPのログイン画面を毎日見てます。パスワードの管理って本当に面倒くさい。
エンディング４：うん、これから一緒に
条件は、ニ周目の名前入力でNGワード入力→さちと話す→元の世界に帰りたい？ の画面で、どちらも選択せず、右下にマウスのカーソルを合わせればOK。
NGワード判定システムとして、さちと一緒に生きていくエンディング。
エンディング２、３、４はスムーズに回収出来ました。
エンディング１：甘んじる運命
条件は、ゲーム開始時点で、NGワードを入れてさちを呼び出すこと。特にどうこうなる展開はなく、さちが喜んでくれるエンディング。
僕の場合は、データを全消去する形ではじめからを選ぶ必要がありました。初見でエンディング１に辿り着いた人は、遊びココロ溢れる人だと思います。
エンディング５：さっちん、こっちは任せて
条件は、一周目の時点で、全ステージを完璧にクリアして♥をMAX７５にする。難易度は何でもOK。ニ周目の名前入力でNGワードを入れてさちを呼び出し、「ううん、ここに残るよ」を選択→バトルで♥一つでもスコアを残せばOK。
内容としては、NGワード判定システムとして生きていく覚悟を、さちに見せる→永遠に続く人生を、この世界でさちと生きる感じ。
エンディング５を回収後、もう一度つづきからを選ぶと、さちと会話。真エンディング？ になるんでしょうか。マコや久梨子の名前もギリギリを狙ったと開発の裏話のような内容を聞いて、さちと円満なお別れをしておしまい。
またはじめからプレイ可能になります。
全エンディングをクリアして思うのは、さちを忘れないで、たまには思い出してほしい、NGワードシステム判定は常にあるんですよ、という主張を一貫して感じること。ただ、日本で生きている限り、会話や記事など全てにNGワードがあるので、、、言葉と情報を仕事にしている僕としては難しいかな、と。
例えば、天気予報を見たからと言って、NGワードを想起することはないかな？ とか思ったり。素晴らしいゲームだとは思います。
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まとめ
サクッと遊べますし、何よりアイデアが素晴らしいですよね。プレーヤーの大半がパスワード入力に何かしら思うところもあるでしょうし、共感した上でくだらない部分では笑えました。
その一方で、言語的な意味で日本語を考えさせられますし、リリースした意味が大きい作品だと考えています。ゲーム内に登場したNGワードは一部であり、制作も候補の中からめちゃくちゃ精査して削っているはずです。
単なる卑猥な単語を撃ち抜くゲームにとどまらない、素晴らしい作品でした。
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