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【ディスコエリジウム】クリアした感想~理解に時間を要する傑作(ネタバレ注意)

2022年8月25日に発売されたPS5、PS4Nintendo Switchソフト『ディスコエリジウムファイナルカット』をクリアした感想・評価になります。エンディングや伏線についても言及している項があるので、ネタバレ注意です。

 

 

 

ディスコエリジウムファイナルカット とは

本作はプレイヤーが記憶喪失の刑事となり、殺人事件の謎を解いていくRPG『ディスコ エリジウム』の決定版。重厚なストーリー展開と、テーブルトークRPGをプレイしている感覚のゲームシステムが大きな特徴となっている。
プレイヤーはゲーム内で行動する際、まるでゲームマスターのような存在との対話を通じてさまざまな選択を行い、ダイスを使ったスキルチェックにより行動の成否判定を行う。物語を進めていく中で多くの問題が発生するが、ひとつの問題に対していくつもの解決方法が用意されており、自由度の高いゲームプレイが楽しめる。

www.spike-chunsoft.co.jp

プレイ人数:1人

ジャンル:RPG、ノベルゲーム

CERO:D(17歳以上)

 

クリアした感想・評価

どんなゲームか分かりにくい事が最大の難点だが…

世界中で数々のアワードを受賞した傑作RPGの日本語版が発売決定! 記憶をなくした中年刑事(主人公)が相棒のキム警部補とともに、辺境の街で起こった殺人事件の謎に挑みます。

『ディスコエリジウム』ってどんなゲームなの? 何が面白いの? と僕も購入前は思いました。そして、それを理解するのに時間を要したので、説明していきます。

  • 謎解きを含むストーリー
  • 攻略方法が数多くあり、プレーヤー次第
  • キャラ一人ひとりが魅力的
  • これらに加えて、油絵のような唯一無二の完成された世界観

プレーヤーは、記憶を失った刑事を操作します。辺境の街で、木に吊るされた男の死体が発見される→事件の真相に迫りましょう! というのが簡単な流れ。MAP上では調べられる箇所が多々あるので、それらをくまなくチェックしていくことになります。

主人公はアルコール中毒っぽいキャラですが、そのおかげで(?)特定の人格24つを脳内に宿しています。事件の聞き込みに際して、人格を自動で使い分けて情報を引き出したり、状況を打開していくような感じです。その際の成功判定に用いられるのが、スキルチェック。

 

例えばこの画像↑↑。【手さばき(黄色)】が必要で、この場合の成功判定は83%。

 

一方でこちらは、【権威(紫)】が必要で、成功判定は3%と最低値です。

 

【才覚(黄色)】が求められていて、この画像では成功した(ダイスの目が5×5=成功の値を上回った)ので、華麗にジャンプしています。ちなみに、失敗するとジャンプ出来ずに肉体にダメージを負う形になってしまいます。

 

プレーヤーのプレイスタイルに応じて、人格の得意・不得意をポイントで振り分けることが出来ます。ちなみに僕の場合は、水色と黄色が高い一方で、紫と赤が低い「思想家タイプ」だったので、上記のような成功判定になったと言えます。

 

思想家が得意な【修辞学(水色)】が、次に選ぶ選択肢の助言をくれている一コマ。状況に応じて、メリット・デメリットが明確にあり、プレーヤーによって大きく分かれるでしょう。やつの態度を和らげておいて、いざとなったらほかの連中を頼ればいい。~議論をふっかけろ! と教えてくれています。 

 

世界で絶賛されている理由はこれらの他に、完成された世界観、独特かつ他にないゲーム性、BGMも耳に残ります(レミ#ファ~♪ レミ#ファソミ~♫)。

また、キャラの会話が英語のフルボイスなんです。今作の日本語翻訳は素晴らしいと思いますが、英語圏の方と比較すると、文章を読み続ける必要があるでしょう。その上、要旨を理解するなど、ある程度の国語力が求められる気も個人的には感じています。

 

水曜日(3日目)になると水門を開けられます。最初は訳がわからずにプレイしていたのですが、僕の場合は、この辺りから一気に面白くなってきました。文章を読むのが苦手でない方、自分で物事をあれこれ考えることが好きな方などにはおすすめ出来る作品かもしれません。

 

キャラ全員に人間味と不思議な魅力あり

このゲームの魅力の一つです。会話を流し読みしていても、キャラクターの特徴をなんとなく覚えてしまう魅力があります。

鏡に映った主人公。アル中&ヤク中っぽいですが…………エンディングになれば正体がわかります。

 

一緒に事件を捜査する相棒のキム。舎弟のような従順さで、主人公に黙ってついてきてくれます。たまにツッコミや説明の補足なども。

 

謎だらけの美女クラーシュ。没入感を一気に高めてくれたキャラ。事件にも深く関わっています。

 

未知動物学者の夫を探してくれ、と依頼してくるレナ。未知動物に関しても膨大な会話量があるのもこのゲームの変なところ。そんなに未知動物について熱く語る必要ある!?

漁村を抜けた先にテントを張ってその中に住んでいる三人の若者。頭がおかしくなるくらい、「ハードコア!」というセリフを聞くことになるでしょう。

 

街に似つかわしくない豪華なヨット上に佇むジョイスストライキ問題を解決するためにいるようですが、プレーヤーに知識や情報を与えてくれるゲーム的にも素晴らしい人物。言葉の言い回しが知的で好き。

 

労働組合の代表者イヴラート。巨漢でニヤニヤとした表情がなんとも不気味なキャラ。何か悪いことをしているとわかってはいるものの、追求させないというか、煙に巻かれるような感覚を覚えてしまいます。

 

カスタムダイス職人。隠しキャラっぽくて好き。

 

コンテナの中で世界を放浪する謎の金持ち。マジで謎のキャラですが、主人公に莫大な金額を投資してくれます。

ストーリーを進めていると、キャラ一人ひとりに役割(場合によってはサブクエスト)が用意してあることも理解してきます。メインの謎解きにも関係してくるので、そう感じた時には没入してきたんやな、と感じたり。

 

ただ、挫折する要素も溢れている

ゲームスタート時から圧倒的な文字数で展開される会話……こういった会話ウィンドウが縦に展開されるゲームは珍しいと思います。そして、女性を口説くスキルチェックにハズレたり。良い印象はないですよね。

 

誰がどこにいるのか分からない場合も、序盤は多め。逆に言えば、人物と地図が頭に入ると、爆発的に面白くなります。

 

ヤク中でまともに話が通じない少年クーノ。汚い言葉が多々出てきたり。ただ、クーノはある意味犠牲者というか、その原因を探るイベントもあります。

 

ただでさえ分かりにくいのに、ゲーム内用語をさらに定義してきたりすることもたまにあります。こういうのは流すに限りますね。すべてを理解しようとするのではなく、なんとな~く理解することが楽しむコツですかね。

 

どこが通れてどこが通れないのかがイマイチわかりにくい。判定箇所もわかりにくい。完全に慣れが必要な要素。

 

セリフが長過ぎてもう色々と面倒くさいしゲームらしく暴力で解決したるわ! と思ったら、、、

こんな感じでゲームオーバーに。。。思想家タイプだと失敗しがち。セーブをしていないと最初からになってしまうので要注意。

こんな感じで、面白くない・つまらない、合わない、と感じてしまう方も多いでしょう。会話がダルくなり、ザーッと連打で飛ばすことも多々ありました。どちらにしても、ものすごく人を選ぶ作品であることに間違いありません。

 

リセマラをする前に! スキルチェックの確率を上げる方法

何度も行うことになるスキルチェック。成功率を上げる一番の方法は、装備を変更すること。権威+1のジャケットを装備すると、こんな感じで確率が上昇します。

 

薬物を使用すること。ちなみに、装備とは異なり、イベント中でも事前に装備していれば、R3orL3で薬物を使用可能です。連続でスキルチェックを成功させることが重要な場面もあるので、種類の異なる薬物の事前装備は重要だったりします。

 

特定の道具を装備して使うと確率UP。チェーンカッターやバールなどですね。

★スキルチェックをする前にクイックセーブorセーブをしておくことをおすすめします。スキルを上げて後に再挑戦することも出来ますが、場合によっては一度失敗すると再挑戦出来ないものもあるので、大半のプレーヤーはリセットマラソン(セーブ&ロードを繰り返す)を多用することになるでしょう……。

 

バグ・エラー落ち・処理落ちがある(Switch版だけかも?)

リセマラのしすぎでロード画面が消えないバグ。何回も見た。バグを報告しますか? と画面に出てくる場合もあります。

クイックセーブとセーブの違いは、前者はそのうち消えるデータ、後者は最後に見返しても消えてなかったので永続的に残るデータ、といった具合。展開が分岐するので、セーブは大切です。

また、急なエラー落ちが4回くらいありました。なんの前触れもなく、急に落ちる感じです。オートセーブが入る間隔がそんなに頻繁ではないので、運が悪いと結構前からやり直すハメになるかもしれません。

あとは処理落ちもちょいちょい。教会内のダンス時は酷かったです。もしかしたら、Nintendo Switchとは相性が悪いのかもしれません。

 

小ネタ

6×6が出たのになんでや!! と思った一コマ。強制的な展開もあるってことですね。

 

思考停止になる数字の羅列

 

キムとボードゲームをして時間つぶし。この時にゲーム画面が出ないのは悲しい……。

 

捜査ハンドブックは、過去最高の特典かも

これがなかったら、僕はこのゲームを挫折しました。

クリアしたからわかるのですが、本っ当にわかりやすいです。発売日にゲームを購入してレビュー記事を投稿するような生活を4年くらい続けていますが、過去最高の特典と言えるくらい。冊子として超面白いですし、編集内容もこれ以上ないくらい美しくまとまっていると思います。

わかりにくいゲームを、わかりやすく説明して興味を抱かせる……攻略の手助けだけでなく、世界観の理解、何よりゲームへの愛を感じました。

 

クリア時間・クリア後

20時間くらいはプレイしたでしょうか。クリア後は特になし。一周目ですべてのイベントを見ることは、ものすごく難しいと思います。また、キャラの生存・死亡、エンディングも複数ある気がしました。

数年の時間を置いてプレイし直したいですね。

 

攻略情報など

おすすめスキル

百科事典……分からない言葉の説明がつく(それで分かるとは限りませんが)だけですが、思考キャビネット「ウォンプティ・ドンプティ・ドム・センター」との相性が抜群で、中盤からガンガンレベルアップします。

世界観の理解が深まるので、1周目のプレイのみおすすめでしょうか。思想家の方はぜひ。

 

視覚計算……多角的に物事を再現してくれるので、過去の状況などがわかりやくなります。ゲーム的に面白いスキル。『Detroit: Become Human』の再現を思い出しました。

 

権威……数値が足りず、困りに困ったスキル。本当に最後まで上がらなかったので大変でした。何度も何度もリセマラしましたね……。

 

暗示……僕のプレイ(思想家)で最も足りなくて困ったスキル。出てくる場面が本当に多く、かつ、魅力的というか成功させたいスキルチェックばかり。2周目は絶対に強化してやる! と思ったスキル。

 

肉体装置……物をこじ開けたり壊したり、脳筋っぽいスキル。結構使う場面があった。

 

手さばき……手と眼の協調も。そこそこ使う。

 

おすすめ思考キャビネット

思考キャビネットは、簡単に言うと、スキルにボーナスを加えるような装備みたいなモンです。これの問題は、装備すれば+になるとは限らず、習得後のボーナスもわからないこと。しかも、取り外しにはスキルポイントを使うことになるという、なんとも理不尽な要素。

ですが……、捜査ハンドブックでは思考キャビネット一覧に加えて、ボーナスまで網羅してあります! ということで、従ってみた結果、かなり良かったのでこちらも紹介。

 

未死体験(現実感喪失)……オーブ(画面上に出てくる円状のもの)を調べるだけで経験値を得られます。

 

ウォンプティ・ドンプティ・ドム・センター。個人的に最もおすすめな思考キャビネット。百科事典が会話の中で出てくるだけで、経験値とお金が入るという超有能な思考キャビネット。同様に、「実質的芸術学位」も概念化で同じ効果あり。思想家の場合は、この2つは超おすすめ。

 

体積くそ圧縮機。序盤のチュートリアル的な段階で、装備しろ、みたいなクエストがありました。有能なのでそのままでOK。

 

ちなみに、習得直前になると「ブレイクスルー間近」というお知らせがあります。僕は面倒くさいんでそのままでしたが、気になる方は一度外して見ても良いかも。

 

アーキタイプの選択について

  • 思想家……僕が選んだタイプ。外郭的というか、外堀を埋めるようにゲームを理解出来る。ただ、体力と気力が低く、序盤はすぐにゲームオーバーになりがち。中盤になると、百科事典+ウォンプティ・ドンプティ・ドム・センターでレベルアップ&金策が困らなくなるかな。
  • 神経質……知性が低いのが最大の難点。後半に苦労しそうなイメージではある。
  • 肉体派……人格とか思考とかがメインのゲームなので、作品の趣旨とあんまり合わない印象。
  • カスタムも出来ます(2周目からはおすすめ)

 

ゲーム全般的に

体感としてではありますが、すべての選択肢を慎重に選ぶ必要はほとんどないと思います。訳が分からない会話はどんどんスキップしていく感じでOK。スキルチェックは成功させたいですが、成功させることでより面倒に巻き込まれることもあります。

 

「思考を受け入れる」は、思考キャビネットを入手出来るチャンスです。

 

時間経過は、本を買って読むことがおすすめ。中でも、「これ一冊でカンペキ!コカトゥーのしつけ完全版」が○連打するだけでOKなのでおすすめ。

 

カラオケは、教会イベントで入手したカセットテープがなければ進みません。

 

インベントリのアイテムは、入手したらインタラクトしてみましょう。

 

時限イベント・ストーリー分岐がある

メインを進めていると、サブクエストが強制的にスキップすることがありました(共産主義うんたらで22時~集合ってやつが顕著)。メインというのは、殺人事件の犯人の特定関連ですね。ルビーに会ってしまうと後に強制イベントが発生してしまうので、結果的に色々とスキップされるような気がします。

 

特に、教会イベントは早めにやった方が良いかもしれません。水曜日になって橋を渡れるようになったら、漁村を抜けた先にあるテントを見つけて(分かりにくいので僕は気付かなかった)、中にいる若者3人とのイベントを進めましょう。

 

金策

ビニール袋を手に装備すれば、空き瓶を拾って換金出来ます。また、このお店は回復アイテムも購入出来るのでお世話になるでしょう。

 

あちこちでアイテムやお金を拾えます。アイテムを質に入れてお金稼ぎをすることも可能です。

 

最初に思想家を選んだ人のボーナスみたいなモンですね。

ちなみに、質屋で売っている700.00円の電灯は購入出来ませんでした……。アイテムを片っ端から質に入れるしかないのかな、と。

 

ネタバレ超注意

デートイベントが楽しかった

21時以降、宿に入ることで一旦キムと別行動しましょう。その後、話しかけてスキルチェックを成功させればOK……ですが、僕の場合は何をしても3%しかならず。20回くらいリセマラを繰り返して何とかイベントを進めることが出来ました。

 

漁村とか教会を抜けて、真っ直ぐ北の端に向かいましょう。

 

人生を考えさせられるというか、惹かれ合っているけれどくっつくことは出来ない、みたいな。大人の恋愛と言ってしまえば簡単ですが、複雑に入り組んだ人生の中で、こういう場面があっても良いよね、と。イベント後は、剣をもらいました(使い道がわからず)。

 

キムの生存

ここのコーテネールが襲撃してくるイベントは何度もやり直しました。仲間を連れて銃撃してくるので、主人公たちは介入。すべての選択肢を吟味しましたが、主人公はコーテネールを撃つ選択肢は絶対っぽいです。銃撃戦になった後、キムの背後に敵がいることをキムに知らせるスキルチェックに成功すると、キムは生存。失敗すると、キムがいなくなり、クーノに起こされる形でゲームが進みます(その後プレイしてないので生きてるかもですが)。

 

犯人

ラストダンジョン的な場所にいる脱走兵のおっさん。スナイパーライフルで狙ったとのこと。そして、未知動物のナナフシとの遭遇。こんな感じで繋がっとったんやな、とテンション上がりました……!! 面白かったですね。

 

エンディング・主人公の正体

ラストダンジョンでは、ベッドで寝ることで、主人公の別れた奥さんと思われるドロレス・デイという人物に会うことが出来ます(夢の中ですが)。ここのスキルチェックがなかなか成功しなくて、何度もリセマラをして苦しみました……。成功してもしなくても、展開は変わらず。

 

体育教師だったんだよ、みたいな。でも、これは人によって展開が分岐する気もします。サブクエストも含め、解決した事件の数によって変わる気がする。

 

タイトル回収

ディスコ・エリジウムというタイトルを回収出来た箇所。このゲームをやってて良かった、と思えた瞬間でもあります。

まとめ

ゲーム内の世界観・システム・キャラクターなどを理解するにつれ、加速度的に面白くなったというのが感想です。ただ、あまりにも人を選ぶ作品であることは事実です。

普段からあれこれ物事を考える方、文章を読んでパッと要約が出来る方、完成された世界観に没入したい方などにはおすすめかもしれません。

個人的には、時間を置いてもう1回やりたい。ハマった人と語り合いたい。そう思えた作品でした。

 

 

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