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薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた~バイト終了、就活へ

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「薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた」第九話。バイトが終わり、就活に向けて。

 

 

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2014年8月中旬

 彼女のアルバイトが終了した。驚いたのは、お菓子や小物など沢山持って帰ってきたことだ。

「ありがとう」
「応援してるから!」
 特に、登山ダンベルの先生からは
「私でも受かったんだから絶対大丈夫だよ!」
 などなど、温かい言葉をいただいたらしい。駅まで迎えに行った時の表情も明るかった。

 二軒目の薬局での仕事は、眼前の総合病院の患者さんや透析の患者さんの対応、老人ホームに持っていく薬の調剤、一包化の機械の使い方を教えたことなど。特に、新しい一包化の機械の使い方を職場に浸透させた件は、アナログ人間からすれば相当大きかったはずだ。現場をまるで知らない他人の僕にも、職場の薬剤師の先生方の負担を減らしたのだと伝わった。他人事のように、仕事が出来る人は違うな~と感じたことを覚えている。

「前の職場とどっちがいい?」
 と聞いたら、意外や意外、決めかねるようだった。

 同じ薬局でも、扱う内容や求められる点はまるで違った。ただ、一人の先生に可愛がってもらったことは特に良かったのではないかと考えている。合格を伝えたい人が増えたことは悪いことではない…………と、この時は思っていた。

 

去年と同じ病院を受けることに 

 彼女は去年と同じ病院を受けることになった。立山旅行後に提出した履歴書も受理され、無事にバイトも終え、面接の日程も決まった。ちなみに、彼女の面接の日程は8月下旬。これはとても遅い部類に入る。

 第三話(薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた〜過去最低合格率の余波

)で、市場の薬剤師が不足していると説明した。にも関わらず、国家試験の合格率が過去最低だったと。その結果、一度内定を出した学生が国家試験に落ちた場合、内定を取り消さず、合格するまで待つ企業も多かった。中には、予備校の費用を負担するところもあったとか。

 だが、彼女の志望していた病院は違う。もう一度、面接を受けに福岡へ帰るのだ。

 年齢や学歴で落とすような病院でないことは、去年の結果からわかっている。しかし、二回目なので何があるかはわからない。彼女を評価してくれた人事部なり薬局長なり、誰か一人でも今回の面接にいれば……。

 もし落ちた時は、「就活は国家試験の合格発表後にする」ということだった。

 

 月イチで食事に行く、友人の小町との会話も弾んでいた。その小町は、研修を終えてバリバリ働いているとか。共通の友人の話、卒業して半年でもう結婚した人の話などをしていた。そして、国家試験に臨む者にとって、ここからが大変な時期であるとも。

 

 内定先が決まっている状態と、そうでない状態……前者の方が圧倒的に国家試験に集中出来るのは言うまでもない。未来が見えれば、判断も行動も自ずとシンプルになる。己を疑うこともなければ、準備を間違えることもない。目標がないと、ゴールが見えないと、ひたすら道に迷い続ける。その行動で良かったのか、本当に正しい行動をしているのか、考える時間も増える。

 就活そのものの難易度は難しくないかもしれないが、国家試験に臨む心理的な影響を考えると、やはり決めておきたい。 
 

就活で抑えるべき点

 面接は自己表現というより、私を雇うとあなたの企業で利益になりますよ、という商談である。それを、過去・現在・未来視点でプレゼンする。

  • 過去……大学で学んだこと・ゼミで勉強したことをあなたの企業で活かせますよ
  • 現在……あなたの企業に入るために今こんなことをしてますよ
  • 未来……過去と現在を踏まえて、あなたの企業で私はこういうことが出来ると思いますよ

 もちろん、企業も商談を通して学生を見定めたい。だから、以下の質問をすることになる。

  • なぜ他の企業ではなく、ウチへ?(志望動機)
  • あなたはウチで何が出来るの? 活躍できるの?(自己PR)

 景気や企業事情によって学生と企業の力関係なども変わるが、基軸はこの二つ。

 つまり、その企業が何をしているかを把握した上で、自分が貢献できる経験を提供しなければならない。それを伝えるために、履歴書を書く。履歴書の内容を見て、質問してもらい、自分を売り込むために。

 

履歴書の項目

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  • 研究課題・ゼミで学んでいること
  • 学生時代・学業以外で力を注いだこと
  • 私の特徴・人柄
  • 志望動機

 

 次の記事で実際に書いた内容を公開するが、「研究課題・ゼミで学んでいること」と「志望動機」だけは言及していないので、彼女が取り組んできたことなどを大まかに説明したい。 

 

研究課題・ゼミで学んでいること

 五年生の春くらいだろうか。所属ゼミを選ぶ際の基準として、大まかに二つの選択肢があった。一つは実験、もう一つは臨床である。例えば実験ゼミの場合、動物実験・解剖などがメインとなる。その都度データを取るのだが、彼女はあまり好きではない。だから、臨床研究ができるゼミを選んだ。

 臨床ゼミでやったことの一つに、認知症の啓蒙活動がある。公民館とのアポを先生に取ってもらい、一人で行う。具体的には、高齢者の前で認知症の初期症状や予防方法などの話をする。その後、話を聞く前と聞いた後で意識が改善されたかどうか、それをアンケート調査。

 実際に人と触れるという点でも、病棟薬剤師の仕事につながる。

 

志望動機(内定先の病院を選んだ理由)

 一つ目は充実した研修があるから。

 三年間の研修があり、病棟薬剤師としてのキャリアをしっかりと歩める。これは去年、面接前に訪問して確認していた。また、救急科もある総合病院であるため、仕事の幅も広い。特に希望している科はないものの、患者さんの役に立てる仕事に就きたいと考える彼女の意図に合う。

 

 二つ目は金銭面と福利厚生。

 多額の奨学金を考慮すると、月20万円以下のところでは働けない。病棟薬剤師は、他の薬剤師に比べて給料が非常に安いと言われている(もちろん病院ごとに異なるが)。ただ、経験は薬局に移った時も重宝されるのがこの業界らしい。そして、この病院は、大幅な家賃補助もあった。

 

 三つ目は福岡県であること。

 両親が高齢なので、何かあった時のために近くにいたい。

 

 

つづき

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