
『食戟のソーマ』の作画を担当した佐伯俊先生が、tosh名義で成人向け漫画を描いていたことは有名です。ただ、成人向けでも活動してきた作家が手がける一般漫画は、『食戟のソーマ』だけではありません。
この記事では、成人向けでの活動歴を持つ漫画家さんが描いた一般漫画を紹介します。成人と一般を並行している作家もいるため、「元エロ漫画家」とは一括りにせず、作家ごとに紹介しています。
成人向け漫画で培われるのは、裸や性行為を描く技術だけではありません。表情、姿勢、指先、肌の柔らかさ、視線、恥じらい、欲望、人物同士の距離感。その表現力をぜひ!
エロ漫画家が描いた一般漫画おすすめ
「エロいから面白い」だけでは留まらない! と感じたので記事にした次第です。
もちろん、身体の見せ方がうまい作家さんは多い。女の子の可愛さ、肌の柔らかさ、服のしわ、視線の動き、距離感の詰め方。そういう部分に説得力があります。
成人向け漫画では、登場人物の欲望や弱さをごまかせません。一般漫画ではぼかされる生々しい感情が、かなり直接的に描かれます。
だから、成人向け漫画で経験を積んだ作家が一般漫画を描くと、ただのサービスシーンでは終わらない、と考えています。この記事では、「一般漫画の中に残る色気」や「人間描写の濃さ」に注目して紹介します。
食戟のソーマ カラー版/作画:佐伯俊
下町の定食屋で育った幸平創真が、名門料理学校・遠月学園で料理人たちと競い合う料理バトル漫画。
作画の佐伯俊先生は、tosh名義で成人向け漫画を描いていました。料理を食べた瞬間に服が弾け飛ぶ。少年ジャンプの料理漫画で、よくここまでやったなと思います……!!
ただ脱がせているだけではなく、料理のおいしさや衝撃を身体で表現しているのがポイント。エロいのに、料理漫画としてきちんと成立しています。

カラー版では、料理や肌に色が付くため、リアクションの派手さも◎。
tosh名義の成人向け漫画『めんくい!』をコミックシーモアで読む
ヴァンピアーズ/アキリ
人間の少女・一花と吸血鬼の少女・アリアが出会い、少しずつ惹かれ合っていく百合ファンタジー。
アキリ先生は、東山翔名義で成人向け漫画を描いている作家です。首筋へ顔を近づける。血を吸う。肌に触れる。吸血鬼と百合の相性が良すぎます。
派手に脱ぐ漫画ではありませんが、女の子同士の距離が妙に近い。静かな作品なのに、ページ全体からフェチを感じます。アキリ先生の『ストレッチ』も大好き。
惰性67パーセント/紙魚丸
美術系大学に通う男女が、一人暮らしの部屋へ集まって酒を飲み、下ネタを話す大学生日常コメディ。
紙魚丸先生は、成人向け漫画でも活動している作家です。
男女が狭い部屋でだらだらしているので、何か起こりそう。酒、下ネタ、着替え、距離の近さ。成人向け漫画ならそのまま始まりそうな場面を、大学生の気まずさとしょうもない会話で終わらせます。
この何も起きない感じが好きでした(完結済み)
絢爛たるグランドセーヌ/Cuvie
バレエに魅了された少女・奏が、国内外の大舞台を目指して成長していく本格クラシックバレエ漫画。
成人向け漫画家が、本格的なバレエ漫画を描いている。経歴だけ見ると、かなり意外です。
しかし、読んでみると納得します。足先の向き、姿勢、重心、筋肉の動き。人間の身体を描いてきた技術が、バレエでそのまま生きています。
エロい漫画ではありません。踊るために身体をどう作るのかまで丁寧に描いた作品。
一級建築士矩子の設計思考/鬼ノ仁
建築と酒を愛する一級建築士・古川矩子が、設計や法規、予算、施主との問題に向き合う仕事漫画。
鬼ノ仁先生は、成人向け漫画家であり、一級建築士でもあります。その経歴を全部使って描いているのが本作。建築の話が思った以上に本気です。
矩子さんは美人ですが、無理にエロく見せません。仕事をして、悩んで、終わったら酒を飲む。働く女性の生活感が良いですね。
成人向け漫画家という肩書きを知らなくても、普通に面白い建築漫画と言えるでしょう!
グラぱらっ!/原作:桂あいり・漫画:西木田景志
グラビアオタクの青年と、駆け出しグラビアアイドルの同居から始まる芸能界ラブコメ。
『カラミざかり』の桂あいり先生が原作を担当しています。漫画は西木田景志先生です。
グラビアアイドル、芸能界、性的な視線、他人に奪われそうな不安。題材はかなり桂あいり先生らしさが出ていると感じます。可愛い女の子を楽しむ作品ですが、芸能界の嫌な部分も出てきます。
マケン姫っ! フルカラー/武田弘光
特殊な能力を持つ生徒たちが集まる学園を舞台にした、美少女、お色気、バトルありの学園アクション。
武田弘光先生は、一般向けと成人向けの両方で活動している漫画家です。
本作は分かりやすい。美少女、制服、巨乳、入浴、着替え、密着ハプニング。一般漫画ですが、かなり攻めています。バトルもありますが、やはり女の子を楽しむ漫画。フルカラー版との相性も良いです。
『To LOVEる』や『Kiss×sis』のような、直球のお色気漫画が好きな方におすすめ。
恋愛志向生徒会/如月群真
男女交際を禁止する校則をなくすため、生徒会のメンバーが学園内の恋愛自由化を目指すラブコメ。
如月群真先生の一般向け漫画です。
成人向け作品より当然おとなしいのですが、女の子の可愛さはそのまま。制服、脚、胸元、照れ顔など、期待する部分はしっかり描いています。
物語は王道の学園ラブコメ。成人向け作品は買いにくいけれど、如月群真先生の絵が好きという方にも読みやすい。
如月群真先生の成人向け漫画『好きになったら一直線!』をコミックシーモアで読む
Kiss×sis/ぢたま某
義理の双子の姉から強烈な愛情を向けられる男子中学生・圭太を描いた姉弟ラブコメ。
一般漫画のお色気表現は、どこまで許されるのか。『Kiss×sis』は、その限界へ何度も挑んでいた作品です……!!
キス、入浴、着替え、密着、姉二人からの誘惑。かなり古い作品になりましたが、今読んでも攻めています。ストーリーより、シチュエーションと姉二人の積極性を楽しむ漫画かもしれません。
狼と香辛料/漫画:小梅けいと
行商人ロレンスと、狼の耳と尻尾を持つ少女・ホロが、商売をしながら旅を続ける経済ファンタジー。
漫画版を担当した小梅けいと先生も、成人向け漫画で知られる作家です。
『狼と香辛料』は、お色気漫画ではありません。見どころは、ロレンスとホロの会話です。賢くて、面倒くさくて、可愛くて、少し寂しい。ホロの感情が、表情だけでなく耳や尻尾からも伝わってきます。
ヒロインを魅力的に描くという意味では、成人向け漫画家の強さがよく出ている作品。
化物語/漫画:大暮維人
怪異と関わった高校生・阿良々木暦が、それぞれ問題を抱えた少女たちと出会う青春怪異物語。
大暮維人先生の漫画は、とにかく線が細かい。ストーリーよりも、絵の美しさに心奪われてしまいます。女の子の身体、髪、服、ポーズ、背景、バトル。情報量が多いのに、見せたい部分へ目が行きます。画家に近いイメージ。
西尾維新先生の原作をそのまま漫画にしたというより、大暮維人版の『化物語』。アニメを見て内容を知っている方でも、漫画を読む意味があります。
弟の夫/田亀源五郎
亡くなった弟の夫だったカナダ人男性が、日本で暮らす兄とその娘を訪ねてくるホームドラマ。
田亀源五郎先生は、ゲイ・エロティック・アートの分野で知られる漫画家です。
しかし、『弟の夫』はエロくありません。家族、偏見、無意識の差別を描いた作品。子どもは普通に受け入れるのに、大人は余計なことを考えてしまう。その違いが分かりやすく描かれています。
成人向け漫画家の一般作品≒単なるお色気漫画 ではないのも確かなんです。表現の幅が広がることも間違いなし。
変ゼミ/TAGRO
変わった性癖や行動を研究する大学のゼミを舞台にした、かなり特殊なキャンパスコメディ。
性癖をテーマにしていますが、登場人物が本当に変です。笑える話もフツーに引く話もあったり。
人間はなぜそんなことをするのか。何を気持ちいいと思うのか。変態性を研究対象として扱う、他に似た作品がほとんどない漫画です。
ハマる人はかなりハマると思います。
ライドオン!/水平線
バイクを題材に、登場人物たちの青春や人間関係を描く青年漫画。
水平線先生の一般向け漫画です。
成人向け作品のような直接的な描写はありませんが、登場する女性はやはり魅力的。バイクにまたがった姿勢、身体の重心、スピード感など、恋愛漫画とは違う部分で画力が生きています。個人的には、夏を描くのが得意なイメージがありますね。
強烈な人気作ではありませんが、成人向け漫画家が一般誌で別の題材を描いた作品として紹介したい一作です。
おまけ:『ムヒョとロージー』西義之先生が描いた成人向け漫画
罪を犯した霊へ刑を下す天才魔法律家・ムヒョと、助手のロージーが、霊にまつわる事件へ挑むダークファンタジー。
『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』の西義之先生は、個人サークル「ナイーブタ」で成人向け漫画『魔女は結局その客と』を発表しています。
成人向け→一般誌は多いですが、週刊少年ジャンプで連載した作家がその後に成人向け漫画を描く珍しい逆パターンです(ありがとうございます!! もっと一般的になってほしい!)。
『魔女は結局その客と』は全4作。見習い魔女が営む占いの館を舞台にしており、西義之先生らしい柔らかな絵柄はそのまま。素晴らしいのでおすすめ!!
『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』の無料立ち読みはこちら
まとめ
成人向け漫画家が一般漫画を描くと、必ずエロい作品になるわけではありません。
料理漫画、百合漫画、大学生日常漫画、バレエ漫画、建築漫画、ホームドラマ。想像以上にジャンルはバラバラです。
ただ、女の子を可愛く見せる、身体を自然に描く、人物同士の距離を伝えるといった部分には、成人向け作品で培った力を強く感じます。個人的にも、エロに触れることで人間の本質を考える側面は必ずあると感じています。
今後も追記していきます!
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