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薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた~一ヶ月前の不安

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「薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた」第十七話。年末年始〜一ヶ月前の不安・勉強について、など。

 

 

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2014年12月下旬~2015年1月初旬

 9月から始まった予備校。彼女は一度も遅刻・欠席することなく通った。

 土曜の午前・午後のどちらかのみ、買い物や外食に行ったり、友人のこまちと出かけたり……日曜日は復習だけでなく、月~金曜日の授業の準備に充てていた。休みと言える日はなく、毎日一定時間は勉強。

 そして、それは正月も同じだった。僕が「笑ってはいけないシリーズ」のジミーちゃんを見てケラケラ笑っていた同じ部屋で、彼女は勉強をしていたらしい(なんかすみません)。年明けに提出しなければならない課題が多かったとは言え、全く同じ行動を続けただけでもすごいと思える。

 

 年が明けると、いよいよ追い込みに入る。追い込み時期は、自分が苦手な範囲を潰すことよりも、まだ定着してない知識を定着させていく。

 今から新しいことをやるよりも、今まで勉強してきたことを確実に身につける方が大事である。例えば、97回までの過去問を今まで解いてきたとして、96回の問題に手を出すことはおすすめしない。出所不明の「今年出るかも」という類の話はちょこちょこ聞くかもしれないが、それを覚える意味があるのかは微妙なところだ。

 今までやってきてない問題は、出題される頻度は少ないはず。予備校に通っているならば、過去問や出題頻度の高い問題は、年明け前までに確実に目に触れている。その年の流行にしても、例えばiPS細胞ならば、es細胞との違い・利点など、SARSが流行ったならば、その感染経路や対策などは抑えているだろう。新薬などについても、ある程度授業で教えてもらっているはずだ。

 

 試験前日に持っていくノート。その取り方も変わってくる。

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年内は書き込み

 

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年明けはノート作りに時間を割かない。授業中もしくは休憩中にポイントを付箋に書き、貼る。

 

 本番が近くなるにつれ、不安は増す。けれど、確実性を優先させる。そうすることで、点数をとりこぼさないようにしよう。

 

2015年1月27日(国家試験日の一ヶ月前)

「どうしよ、本当にあと一ヶ月で試験や」

 日めくりカレンダーのアプリをスマホに入れていて、「国家試験まであと〇〇日」と表示されている。それが一日ずつが減っていき、いよいよ三十日前になったのだ。

 ……そっか、現実味が増してきたんだ。

 僕はこの種の不安に対して、自分の中で意見を持っていた。

「一ヶ月切ったからと言って、特別に何かする必要はないんやないかな。把握しとるわけやないけど、弱みをなくすような勉強法をしてきたんやろ?」

「うん」

「今から弱いところを集中的にやらないけん! とかなったら話は別やけど、試験が近づいてきたからと言って、今のペースを崩したりする方が怖いかな」

「ふ~ん」

「あと、参考程度には周りと比べても良いと思うよ。地に足が着いた状態やと思うし、物事をプラスに捉えてモチベーションに変えることは悪いことやない」

 という話を彼女にした。

 

 ただ、彼女にはこのように言えたけれど、他の人に同じことが言えるとは限らない。本気で取り組んできたからこそ生まれる類の不安は、正しい過程にいることを意味している……と僕は考える。

 言い訳できないほど捧げているから、怖くなるのは当たり前なのだ。

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たとえ最後の模試の結果が良くても


 ――僕が大学受験予備校生の時、ストレスが体を蝕んでいて、抜け毛と肌荒れと浅い呼吸に毎日苦しんだ。予備校で朝から夜まで勉強し、家には寝に帰るような生活だった。が、睡眠もロクに取れず……。彼女の支えがなければ精神的に潰れていた。

 運に恵まれて希望する大学に受かったから良かったものの、負荷をかけて苦しむくらいならばペースを上げる必要はないと考えている。なので、時期的にもキャパオーバーは良くない。心身ともに、試験前に潰れても良いことはない。勉強と同じくらい、睡眠やストレス解消も大切だと考える。

 

 自分が苦労した経験は、自分だけでなく人にも活きる。でもそれは、苦労から学んだことを共有できる相手がいてこそ。そんなことを考えていた。

 

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