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薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた~予備校よりも大切なこと

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「薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた」第十一話。予備校について。けれど、予備校よりも大切な心構えなど。

 

 

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薬学には歴史と責任がある

 紀元前400年前にヒポクラテスが医学を科学として確立して以降、その道に人生を捧げてきた偉人も多い。医学・薬学は留まることなく、常に進歩している。言い換えると、人が病気になる限り、医療の進歩や薬の開発が終わらないということになる。

 なので、薬剤師になれたとしても勉強は続いていく。これは経験論や人生論ではなく、純粋な知識を増やし続けていかなければならない勉学的側面の話である。用法用量を間違えれば、最悪人が死ぬ。その事実を日常としていかねばならない。薬とは、それだけ人間にとって大きな存在なのだ。

 

例えば2014年

 2014年、この年に社会現象になったニュースを少し振り返ってみたい。振り返る方法として適切かはわからないが、流行語大賞は「集団的自衛権」「ダメよ~ダメダメ」だった。その他にも、ゴーストライター騒動、県議員の号泣会見、そしてスタップ細胞騒動……相対的ではあるが、なかなか濃い一年だったと思える。

 そしてこれは、薬学業界も同じである。スタップ細胞はもちろん、エボラ出血熱の流行、薬のネット販売開始、危険ドラッグ規制、医薬品医療機器法で再生医療製品の承認手続き簡素化などなど。激動の年だったと言えるのではないだろうか。

 

 薬学の歴史はもちろん、こういったニュースも国家試験に出る可能性がある。どのような意味を持ち、問題になるならば何を問われるのか。情報は網羅できているのか。それを確認するための最も有効な手段は、他者との意見交換である。そういった点で、国家試験に落ちた卒業生の多くは予備校に入学するのだ。

 つまり、予備校に行く意味は、講義を受けるだけではないことがわかる。国家試験は点数を取れれば良い。それは間違いないが、それだけではないことも事実なのだ。

 

 次は、本格的な勉強を始める前に聞いた「彼女の意識」について語りたい。 

 

彼女の意識について

 過去最低の合格率の年に当たってしまったとは言え、去年受からなかった事実をまずは受け入れていた。それなりに勉強していたことは、学校や模試の成績からわかる。

 楽観的でポジティブな僕の場合、「さすがに来年は合格率上がるやろ~。現場の薬剤師が足りてないのに二年連続で過去最低が更新されるわけないやん」と思う。

 

 しかし、彼女は違った。

 

 現役時代、勉強しなかったわけでもない。教科書を一回見ただけで暗記できるような脳みそもない。大学受験も思うようにいかなかった。なので、去年と同じような勉強量ではまた同じ結果を招くことになる。予備校へ行かず宅浪で合格するような人ならば、現役で受かっている。これは、予備校任せで合格する人にも同じことが言える。

 来年も、過去最低合格率を更新するかもしれない。現場の薬剤師が足りずに困っていても、決定権は役人が持っている。現場の人間が「あいつら全然現場をわかってない」と、役人の文句を言う光景を一度は見たことがあると思う。上の人間と連携が取れなくなることは、この国で日常茶飯事なのだ。

 国家試験は一年に一度しかない。薬学部を卒業すれば国家試験を受ける権利はあるが、最も大切なのは来年。もう一度言うが、来年がすべてなのだ。

 なので、予備校はあくまで手段である。ベースは自分で勉強することだ。国家試験に合格するために、予備校を利用する。間違っても、予備校に行くことが目的ではない。

 このような意識が前提にあって、その次に予備校を選んだ形になる。

  

予備校の違い

 ※この情報は、現在も正しいとは限らないのでご注意を。あくまで2014年当時の、彼女やその友人の私見になります。

 名古屋には、メディセレと薬ゼミの二つ予備校がある。

 

薬学ゼミナール(通称・薬ゼミ)

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引用:薬ゼミの理念 | 薬学ゼミナール

  • 老舗の予備校。厳しい。
  • 応用力を養う。小テストが多い。
  • 基本的に校舎ごとに科目ごとの講師がいる。名古屋はどの科目も揃っていた。講師の質が平均的。

 

メディセレ

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引用:薬剤師国家試験予備校 Medisere(メディセレ) 会社案内

  • 薬ゼミから独立した講師が作った予備校。楽しく勉強。
  • 基礎だけやる、応用力は自分で身に付ける。点数取らなければいけないところを取らせる。
  • 講師の人数が少なく、質に差がある。衛星・治療はわかりやすかったと言う。一人の講師が校舎を掛け持ちしている。
  • 休憩場所が狭い。隣にビルが隣接しており、換気が悪い。

 

講師の良さの定義とは

 予備校を選ぶ基準は、やはり講師である。講義を受けることで、自分がどれだけ理解しているのかを確認できるので、これは当然のこと。同じ問題でも、黒板に書くことも異なれば説明する視点、補足情報なども異なる。試験範囲があまりにも膨大なので、「この分野は数年に一回出る傾向がある」「毎年絶対出る」などの情報は大切だし、他の分野と関連付けて教えてくれることなども重要である。

 彼女の場合、どちらの予備校の授業も、大学側が招く形で在学中に何度も受けたという。その時に、薬ゼミだと決めていた。あとは、「彼女の意識」により近いのも、薬ゼミだった。

 

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