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綾野剛はセックスも天才である【映画3作のベッドシーンを比較】

綾野剛は本当に凄い俳優だ」と思うようになった過程を、ベッドシーンから振り返ってみました。

そこのみにて光輝く」、「日本で一番悪い奴ら」、「怒り」のネタバレを含んでいます。

 

 

はじめに

僕が綾野剛を初めて認識したのは、映画「横道世之介」でした。

ただ、原作小説の方が圧倒的に好きだったという印象に終始しています。しかし、綾野剛に関しては、印象に残っていないことが僕の記憶に残っていました。

また、邦画を見る時は、あらすじや概要を頭に入れずに見ています。

(敬称略)

 

そこのみにて光輝く

ある出来事がきっかけに仕事を辞め、目的もなく毎日を過ごしていた佐藤達夫(綾野剛)は、ある日パチンコ屋で使い捨てライターをあげたことをきっかけに、粗暴だが人なつこい青年・大城拓児(菅田将暉)と知り合う。
拓児に誘われるままについていくと、そこは取り残されたように存在している一軒のバラックだった。そこで達夫は拓児の姉・千夏(池脇千鶴)と出会う。
互いに心惹かれ、二人は距離を縮めていくが、千夏は家族を支えるため、達夫の想像以上に過酷な日常を生きていた。それでも、千夏への一途な愛を貫こうとする達夫。
達夫のまっすぐな想いに揺れ動かされる千夏。千夏の魂にふれたことから、達夫の現実が静かに色づきはじめ、達夫は失いかけていたこの世界への希求を取り戻していく。そんなとき、ある事件が起こるーーー。

過去に痛みを抱え、毎日を怠惰に生きる不器用な青年を演じています。

一途な一方で言葉足らずなところがあり、事ある事に千夏(池脇千鶴)と仲違いをします。それでも、身を寄せ合うことで心が繋がっていく過程が描かれています。

退廃的な函館の街に対して、少しばかり華がある印象を達夫(綾野剛)から受けました。が、それも含めて、三人の演技は圧巻でした。

劇中には演技という概念が存在せず、達夫・千夏・拓児(菅田将暉)が映画の中で生きているようにしか思えませんでした。

 

酒場のシーン

達夫が酒場でお酒を飲むシーンがあります。

そこでたまたま千夏と再会し、千夏が体を売ってお金を稼いでいることを知ってしまいます。

「こういうとこ来んだ」と千夏に言われ、「いくら?」と聞き返し、「8000円」と聞いた達夫は、過酷な現実に打ちひしがれて、最早笑うしかありません。しかし、それを嘲られたと勘違いし、ビンタして追い出してしまった千夏……

 

海のシーン

その日以降、顔を合わせることのなかった二人ですが、拓児によって再び顔を合わせます。達夫の「泳ぎ行くべ」という不器用な言葉で、二人は海辺へ行くことに。

強調された波の音を背景に、二人は身の上話をして距離が縮まります。

先に海に入った達夫を追い、千夏は服を着たまま海へ入ります。海の中で千夏を待つ達夫を見て、僕の頭の中でFF10のシーンが思い出されました。

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SQUARE CO.LTD

しかし、全てが逆でした。

画像のような幻想的な雰囲気は一切なく。コバルトブルーの海でもなく、透明度があるわけでもなく。陽が照っているわけでもなく、月に導かれるような美しい雰囲気があるわけでもない。

海水浴場にもならないような海の中で二人は求め合います。そんな何もない海だからこそ、二人の存在が際立つように感じました。

千夏の過酷な現実から来る苦しみと、達夫の過去の悲しみ。共に痛みを抱いている者同士が、傷を塞ぎ合うようなセックスだったと思います。何もない海だからこそ、光輝く二人……タイトルの意味がここで理解できました。

ラストシーンは朝陽が当たるので、その対比にもなっていると思われます。

 

池脇千鶴の演技も

実は、千夏を見た第一印象は「風俗嬢っぽいな……」でした(この時点で既に映画の中に入っていけたことがわかると思います)。

そして案の定というか、酒場で達夫と遭遇、体を売っているところを知られてしまいます。これだけでも辛かったのですが、更に辛いシーンが出てきそう……(レイプとか変な男に付きまとわれるとか)と思っていましたが、まさか中島(高橋和也)だけでなく、千夏の父親までがそのような役割で登場するとは思いませんでした……。

父親の性処理を見てしまった達夫のあじさい花を握り潰す姿……そこには無情な現実への怒りや虚しさが凝縮されていました。

辛い現実に直面しつつも、それでも、達夫は不器用ながらも千夏に愛を注ぎます。それに応える過程を演じ切った池脇千鶴にも、感銘を受けざるを得ませんでした。

 

日本で一番悪い奴ら

大学時代に馴らした柔道。その腕っ節の強さを買われ、北海道警・刑事となった諸星要一。
強い正義感を持ちながらも、うだつの上がらない日々を過ごしていた。ある日、署内随一の敏腕刑事・村井から刑事の“イロハ"を叩き込まれる。
それは「刑事は点数。点数稼ぐには裏社会に飛び込み、S(スパイ)をつくれ」というものであった。
言われるがままに“S"を率い、「正義の味方、悪を絶つ」の信念の元、規格外のヤバすぎる捜査をまっとうしていく諸星だが…。

柔道一筋で強い正義感を持つ生真面目な刑事が、悪徳捜査に手を染めていく話です。

栄光から転落人生を歩み、最終的に罪を着せられる話ですが、ベッドシーンから振り返ってみました。

この映画は、綾野剛のセックスが全てを象徴していると思います。

 

由貴との出会いから別れまで

後の変化のためにも、どこか童貞っぽさを印象付けたいのかな、と思いました。

行為中に「オス!」と返事したり、入れ墨の入った背中に魅入ってしまったり、興奮しすぎて腰を振りに行ってしまうような仕草がそれに当たります。

女性に触れる手もどこか雑で、女性視点で見れば下手そのものでしょう。由貴に終始リードされて、行為に及ぶその姿は「青さ」に溢れていました。

由貴との出会い以降、諸星は女を知り、セックスを覚えていきます。

 

ソープランドで風俗嬢に騎乗位をするシーンは、行為そのものを楽しんでます。おっぱいを揉みまくってますし、「入っちまった!」なんて言ってるくらいですから。

また、職場の女性(瀧内公美)から「エース」と言い寄られた時には、「お前良い女だな!」と言い、職場でおっ始めます。最初のベッドシーンで見せた女性への雑さはなく、むしろ女が喜ぶような類の荒々しさがあります。それは「エースッ……」と零れる女性の声からも見て取れます。

 

仕事が上手く回らないのと並行するかのように、由貴から求められても煩わしそうにするシーン。これも諸星の変化を描いています。また、他の場面では、由貴に「エースじゃないんだ……」と言われ、結局行為を止めてしまうところも凋落を印象づけます。

 

そして、とうとう決定的な出来事が起こります。由貴のシャブ漬けが発覚するシーンです。

何度も由貴をビンタしながら「バカヤロー」と絞り出す諸星に対し、それ以上に「ごめんなさい」と許しを請う由貴。「なんで手を出したんだよ」と悔しそうに、でも悲しそうに……まさに無情の念が感じられるシーンでした。

シャブを使って間接的に検挙率を挙げていた一方で、シャブは憎むべきもの。悪徳捜査に手を染めようと、芯の部分では刑事だったんだな……と伝わるシーンです。

「シャブはムショに入んねぇと治んねぇ」

という言葉と、車内から由貴を見送るシーンが印象的でした。

 

最後は自身が

街でも、クラブでも、職場の「エース」女にさえ、見向きもされなくなった諸星は、自身がシャブに溺れます。

歯茎の粘膜にシャブを執拗に擦り込むその姿は、まさに堕落を象徴していました。

どのベッドシーンにも意味があり、諸星の状況をそのまま映しているように見える作品でした。

 

怒り

ある夏の暑い日に八王子で夫婦殺人事件が起こった。
窓は閉め切られ、蒸し風呂状態の現場には、『怒』の血文字が残されていた。
犯人は顔を整形し、全国に逃亡を続ける。その行方はいまだ知れず。
事件から一年後。千葉と東京と沖縄に、素性の知れない3人の男が現れた。

東京―――――――
大手通信会社に勤める優馬妻夫木聡)は、
日中は仕事に忙殺され、夜はクラブで出会う男と一夜限りの関係を続けていた。
彼には末期がんを患う余命わずかな母がいた。
ある日、優馬は新宿で直人(綾野剛)に出会った。

沖縄千葉は割愛)

「犯人は誰か?」

スリードを誘うため、3つのストーリーが交錯して描かれます。どれも一本の映画に出来るような内容の濃さです。また、映画を見た者同士なら「ベストアクターは誰だった?」という話題で盛り上がると思います。それほどまでに凄まじい演技の数々が見れる作品です。

今回は東京編のみをピックアップします。

 

ハッテン場のシーン

ハッテン場で優馬妻夫木聡)が物色するシーン。

直人(綾野剛)は膝を抱え込んで俯いており、とてもとても小さく見えました。この姿を見た瞬間、僕は市橋受刑者(リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件)をすぐにイメージしました。させられたと言った方が正しいかもしれません。

優馬が直人に対して荒々しく行為に及び、終わった後は恍惚を含んだ表情をします。まさに、自分本位にやって自分だけが満足したもの。目の前の性欲を満たすためのセックスです。

それに対して直人は、自分の体を利用した先にある人との関係を求めているように映りました。99パーセントの拒否と1パーセントの希望が同居しているような表情で……見たくないけど目が離せないような気持ちになったことを覚えています。

 

行為後の食事シーンでは饒舌な優馬に比べ、直人は全く口を開きません。そのタイミングで、逃亡事件のニュースがテレビで流れます。

「やっぱり市橋だ! この事件をモデルにしたのか」

そう思った僕は、李相日監督の狙いにまんまと乗せられたことに気付かず笑、ますます劇中にのめり込んでしまいました。

結末はぜひ映画を見て確認していただけたら……と思います。

 

ダウンタウンなう

彼女が見ていた番組をたまたま見た時、綾野剛が出演していました。

「撮影のために、妻夫木聡と一緒に暮らした」という話をしていたんですよね。

一緒に暮らした上で撮影に臨んだのだと思います。

しかし、暮らしていく中で愛が芽生えるタイミングに合わせて撮影したとは考えられません。

  

もっと過程を見たかった

だからこそ、二人の関係を見ていたかったと思いました(3つのストーリーを混ぜているので、仕方ないとは思いますが)。

劇中だと、比較的あっさりと直人は優馬を受け入れているように見えたからです。あんなに苦しそうにしていたのだから、もっと二人の心が溶けていく過程を見たかったなあ……と思ったんですよね。

 

この記事を書いている過程で、「ブロークバック・マウンテン」を思い出しました。こちらも名作だとは思いますが、「怒り」は俳優が日本人ということもあり、圧倒的に男男間の性行為が生生しく映りました。

それはつまり、演技が素晴らかったということと同義です。 

 

まとめ

今後も比較する作品が増えることでしょう。

綾野剛はマジで凄い。

 

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