僕の人生、変な人ばっかり!

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「10円で買ってくれませんか?」と話しかけてきたキンタロー。似のあなたへ

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彼女とスーパーで買い物をした帰りだった。二人で歩道を歩いていると
「すいません! これ、10円で買ってくれませんか!?」
と声をかけられた。

 

松野明美さん+キンタロー。さんのイメージ

その人の外見は全く覚えてないのが、ただ、声の勢いと身長から

・元マラソン選手の松野明美さん

・芸人のキンタロー。さん


この二人が(松野さん:キンタロー。さん=3:7)で合わさったイメージで覚えている。(いや、でも、こんなに強烈だったかなあ、まあいいや)


僕らは道をよく聞かれる。それには馴れている。が、道ではなくについて聞かれたのは初めてだった。だから、何を言っているのか最初はわからなかった。


松野キンタロー「ウチ一人なんで、家で鍋しないんですっ!!」
松野キンタロー「スーパーのくじで当たったんです!! 10円で買ってくれませんか?」

 

声をかけられて考えていたこと

その手には鍋の素があった。最近よくあるキューブ状のやつじゃなくて、一般的なストレートタイプ。

あまりに急なことで松野キンタローの意図がわからなかった。それは彼女も同じで、チラッと横を見ても、彼女も狐につままれたような顔をしていた。


普段ならば、嫌なことなら嫌とハッキリ言う。街中を例にとると、チラシの配布に対しては頭を下げるなり、「要らないです」とハッキリ言うなり。断り方なら何通りも持っていた……はずなのに。 

 

ど、どうする?

う、うーん……(どっちでも)

 

ゆっっっくりと首を傾げる彼女。

対して松野キンタローは、目を☆キラッキラ☆させて、満面の笑みから溢れる歯並びの良さを見せて、あくまで選択権はあなた達にあるんですよ、という間を与えてきた。

完全に足を止められてしまったのだ。 

ここまで15秒くらいだったろうか。僕の頭に頭に浮かんでいたことは、

・集団犯罪の類ではなさそう

・たしかに、鍋の素はよく使う

・でも、スーパーにくじとかあったっけ?

・それに物騒な世の中だしな。もしかしたら毒盛ってる? 

・爆発したらどうしよう? いや、ないか

・でも10円なら……

・そう言えば石田ゆり子のエッセイになんかあったな 

 ――服の整理をしたが、要らなくなった服を捨てるのはもったいない。だから知り合いにあげよう。かと言って、無料で渡すのは相手も気を遣う。だから、あえて激安の値段を設定する。

 みたいな内容だったはず。今回はそのケースはその理論がそのまま当てはまる。

 仮定すると

鍋の素が当選した→でもひとり暮らしだからいらない→かと言って捨てるのは忍びない→だから人にあげよう→でもタダだと怪しまれる→そうだ10円に設定しよう。

これなら違和感はない。違和感はないが、怪しいことに変わりはない。彼女を見ると、「あなたが決めてよ!」という目線。

あー、でもなー。んー。どうしよ~。まあいっか! よし!

「じゃ、じゃあ、せっかくなので……」
僕がそう言うと
松野キンタロー「ありがとうございますっ!」

と食いつき気味に言われたことを覚えている。

 

支払い

僕は小銭を持ち歩かないので彼女が財布を出すのだが、その動作にも迷いが見られた。もちろん、つかみとったのは10円玉。でも、それを渡す手にも最後まで迷いがあった。

その迷った手の先にある10円玉を、まるで宝物かのように見つめる松野キンタローさんの嬉々とした表情だけは思い出せる。

松野キンタロー「ありがとうございますっ!!☆★」

その後のことはあまり覚えていない。

 

考察

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家に帰って、鍋の素を逆さにして振った。でも、やっぱり何もない。 

どうしても10円が欲しかった。なぜ? カップルからもらう10円のコレクションをしている。いや、違う。

道行く人に10円で物を売りつけることを生業にしている? いや、そうは思えない。となると、やっぱり最初の言葉に戻ってくる。
「ウチ一人なんで、家で鍋しないんです」

今まで読んできた心理学の本には少なくとも書いてなかったし、当てはまるものと言えばやっぱり石田ゆり子理論。

 

 今だから思うのだが、二人に対して一人で挑んでくるってところがミソかもしれない。お互い一人の時に声をかけられていた方が対応できたはずだ。数的有利が不意打ち+興味をそそられるワードによって、不利に働いたのだ。

結果、足止めに成功。松野キンタローは一気に僕らを飲み込んでしまった。さすがである。

 

実食

いよいよ、鍋の素を使う日がやってきた。少し怖かったけれど、冷蔵庫の具材があまりに鍋に適していたので採用することに。

当日になって思ったのだが、可能性の一つとして、味を好まないから人に譲ったという考えも出来なくはなかった。

でも食べてみたら。
「……美味しい、ふつうに美味しい」
食後も体の異変もなく、ただただ美味しかった。

松野キンタローさんの顔と言葉が頭に浮かんだ。本当に一体なんだったんだろう。なんとなく、鍋の素を写真に収めた。

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2012,2013年あたりだったはず、名古屋市名東区

あの出来事は本当だったのだろうか。夢だったんじゃないか。そう思うこともある。久しぶりに写真を見返したら、
名古屋コーチンガラエキス
・鰹だし
・日高昆布だし
・鯛だし
 が合わさった、とんでもないスープだった。

 

調べてみたらリニューアルされたらしく、少し残念。。。

【秋冬限定】寄せ鍋スープ 750g:鍋スープ・鍋用みそ:商品情報:マルサンアイ株式会社


今更ながら、あの人に伝えたい。ごちそうさまでした、と。