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【書評】時代に即したリーダーシップ論「セッター思考」(竹下佳江)

この本は「人の信頼をどうやったら掴めるか」というテーマに沿って書かれている。

育った環境も違えば価値観も違う。それでも、チームとして結果を出すためには普段から信頼関係を築いておかなければならない。たとえ、自分のことを嫌いな人間であっても、コミュニケーションがまるで取れない宇宙人のような人であっても。

 

そのためにはどのような考え方をして、何をしなければならないのか。その答えがタイトルの「セッター思考」。元女子バレーボール日本代表選手(現在はヴィクトリーナ姫路監督)竹下佳江さんの核となる考え方だ。

第一章~第六章まで、竹下さんの経験を元に様々な視点で言及してある。

 

 

セッター思考とは

「セッター思考」を本書の内容を照らし合わせた上で言い換えるならば、

細かい観察やフォローといった日常的なコミュニケーションを通して相手を理解する。相手が何を望んでいるかを察し、信頼を得る。人を輝かせるという前提の元で、仲間を動かしていく。そのために、毎日頑張りきる。

ということになるだろうか。

簡潔に言えば、「オレについてこい!」といった根性論を振りかざすようなカリスマタイプではなく、細かなコミュニケーションで信頼を築いていくタイプのリーダーになる。

結果、人と人とをつなぐ技術を磨くというサブタイトルにつながっていく。

 

いかにして「セッター思考」を身につけたか

ただ、竹下さんもすぐに「セッター思考」を身に着けたわけではない。ご自身がセッター思考を手に入れるまでの過程が描かれている。それはすなわち、竹下さんのバレーボール人生(=セッター人生)を振り返ることに直結する。以下は本書の内容。

 

バレーを始めてから日本代表になるまでの凄まじい努力が伝わる「一%の可能性に賭けて一二〇%の力で頑張る」

シドニーオリンピックの出場権を逃した時の心境を綴った「バレーボールに対する情熱が戻ってこない日々」

一度はバレーを引退して北九州の実家に帰省。ハローワークに通った「逃げるようにバレーボールの世界を飛び出す」

人との縁によって再びバレーの世界に戻るまでの過経「止まっていた時計が少しずつ動き出した」

 

このあたりはぜひ手にとって読んでほしい。竹下さんがどのような人間なのかが苦しいほどに伝わってくる。ただただ、圧巻である。

 

この本の魅力はわかりやすさ

僕はサッカーを幼稚園~高校まで続けていたが、日本代表に選ばれたことは一度もない。当たり前だが、そんな僕と竹下さんの言葉の概念は異なるだろう。例えば、「頑張る」という言葉。竹下さんの「頑張る」を僕が本当の意味で理解できるかはわからない。

けれど、伝わるのだ。かけ離れた経験を持つ人であっても。噛み砕いて、チームメイトを考えるかのように読者のことを考えて言葉を選んでくれている。

例えば第四章にある

「第一印象や直感で感じたことだけで終わりにしない」

「対等に話すとは、相手を尊敬しながら話すこと」

「人を簡単に変えることはできないが、待つことはできる」

これだけでも共感できる部分があるはず。

読みやすく、ためになり、読者にも伝わる。数多くの監督の元でキャプテンを務めた竹下さんの言葉が、一般市民の僕に伝わるのだ。それもまた、「セッター思考」の成す業なのだと思う。 

 

なぜこの本の書評を書こうと思ったのか

何よりも、竹下さんの人生に心を打たれたこと。そして

「自分なりの書評を書いてみたい」

と思わせるような、人を動かす力がこの本にはあるのだ。それもまた「セッター思考」の成す業である。福岡県民でもありますし。 

「セッター思考」はこの上なく、今の時代に合っていると思う。そして、もう一冊竹下さんがコミュニケーション論の本を上梓しても、なんら不思議はない。

 

素晴らしい本は、素晴らしい本と共鳴し合う

他者視点から書かれている

本書とセットで読めば涙が出ます。

 

考え方が非常に似ている

サブタイトルのビジネスは、〈三人称で考える〉。

これは、「セッター思考」の第4章に言及してある「IではなくWeを主語に考えるから冷静でいられる」と全く同じである。

一人称…自分目線で。二人称…相手目線で。三人称…まわり目線で……という様に、八人称の視点まで書かれている。なので、物事に対する視点を増やすという点において素晴らしい良書である。

 

 この著書には澤さんのことも書いています

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